2016 開成中学校への逆算⑤ 渋幕のような開成

2016年度開成の入試問題の総括です。
今年度の構成は①~④の記事をご覧になってください。
(算数 解法テクニック というカテゴリにまとめてあります)
 
今年度のキーワードは「読解力」でした。
 
解説記事にも書いた通り、全体的に明らかに得点しやすい問題がはっきりあり、個人的には難易度は決して高くない、むしろ低いように思えます。
計算量も例年と比べれば少なめでした。
しかしここ10年間の統計を見ると、以下のようになっています。
 
年度:算数合格者平均 算数受験者平均
H28:53.7 39.7
H27:61.1 49.9
H26:61.9 49.8
H25:68.3 53.6
H24:55.7 42.7
H23:72.1 57.7
H22:64.6 56.3
H21:60.9 44.8
H20:62.9 50.5
H19:60.4 45.5
 
なんと、この10年間で最も平均点が低い年度でした。
単純に「難化した」という表現は、しっくりこない結果です。
 
考えられる原因としては、
 
・全体的に問題文が読みづらく、題意をしっかり把握できた生徒が少なかった。
・特に大問1が最も厳しめのため、多くの生徒が立て直せないまま60分を使いきってしまった。
・開成受験生が得意とする図形・数の性質の出題比率が低かった。
・大問3の部分点をかなり厳しく採点している。
 
ということになると思います。
 
開成
 
開成の入試は大問4つ(3問の年度もあります)で構成されており、設問数は多くありません。
難関入試によくあることですが、非常に再現性の低いテストです。
つまり、仮に入試をもう1回実施すれば相当数の合格者が入れ替わると言われていますし、僕もそう感じる時もあります。
これは合格者を讃えない、ということではもちろんありません。
それだけ一発勝負の怖さがある入試だということです。
特に「問題文が読みとれなかった」ことが要因で、算数の実力を得点に反映することができなかった生徒は多かったのではないでしょうか。
 
 
今年度の入試を見た瞬間に「渋幕っぽい出題だな」と感じました。
渋谷幕張には難易度順に問題を並べない、長文問題が多く、その場の思いつきとしか思えないトリッキーな出題がある、例年平均点が激しく変動する、という特徴があります。
そして「読解力が高い生徒が有利」という傾向は一貫しています。
今年度はそれに手触りが似た出題だったと言えると思います。
 
 
長くなってしまったので、来年度への対策については、機会を改めることにします。
南浦和で教室を開いている立地面から、開成は男子御三家の中では最もWisardと接点の多い中学校です。
その入試については、言いたいことが山ほどあるため、いずれはそれも書いていきたいと思っています。
 
今回は以上です。
 
 
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