苦手な単元は速さがいい……とは?(後編)

前回の続きです。
 
A・Bと比べ、C・Dは非常に広い単元で、言ってみればいくらでも難しい問題を作ることができます。
 
特にCの難関男子校の重い問題は、鍛えあげた書き出し力・試行力を総動員して取り組む、算数の力を見る総合問題のような色彩があります。
東大などの大学入試の出題から着想をえていると思われる問題も、ほとんどがこの分野です。
問題設定を理解してルールを掴み、緻密に前進する力が要求されるため、典型問題を抑えた受験生たちの力(そして、来たる大学入試への適性)を測るのに非常に適しています。
つまり典型問題の比率が低く、パッと見て「この問題知っている!楽勝だ!」と思えることが少ない単元です。
 
 
そしてDの速さです。
中学入試独特の単元で、ほとんどの場合は数行の文章とちょっとした図がついているだけ。
その内容を読み解き、自分の得意とするタイプの図を使って整理し、動きをつかむ問題。
 
チェックポイントは2つあります。
 
まず、非常に得点差がつきやすい単元だということ。
初めに問題設定がきちんと整理できれば(1)(2)(3)と小問があっても、一撃で正解できることが多い分野です。
逆に、初めの理解でつまずくと、大問1つを丸ごと失うことになります。
 
次に、「できそうで、できない」単元でもあります。
つまり、「あ、これは速さの問題だ」ということは明らかで、パッと見の印象はどの問題もそれほど変わりません。
(ここがCと違うところです)
ところが、問題設定によってパターンは非常に多岐にわたります。
明らかに同じような問題は解いたことがあるけれども、そう簡単には解けないため、定石に落とし込んで解くという感覚、もう完璧だという手応えをつかみづらい単元と言えるでしょう。
 
 
長くなったのでまとめます!!
 
つまり、速さを苦手だと認識している受験生は、ある程度科目の全体像をつかんでおり、速さという単元がパターンの多い、手ごわい単元であることを知っているのです。
そしてさらに言えば、問題の設定をしっかり整理できないと、(1)から全て×になり、大量失点につながることがあるということも感じています。
 
だからこそ、「速さだけは苦手かも……」と思える生徒は完成度が高いことが多いと言えるわけです。
 
算数が得点源となる生徒は特に、速さが得意だと言える(=他の単元はある程度自信が持てるレベルに達している)ことが大切です。
「速さに苦手意識がある」ことは何もいいことではありませんが、苦手をあえて挙げるなら速さ……という状態に持っていくことは、入試算数の完成度のひとつの目安・目標になることを感じています。
 
 
書きながら、こういう内容ってニーズあるのかなあ?と思わないではなかったのですが……、読んでくれた方のお役に立てば幸いです。
 
 
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