コーラの思い出

問題:10%の食塩水250gのうち何gかを捨て、それと同じ量の水を加えたところ、6%の食塩水ができあがりました。初めに何gの食塩水を捨てましたか。

 
もう昨年のことです。
この食塩水の問題を導入している時のことでした。

「コーラのことを考えて!コーラを一口飲んでみよう。あるいは少し捨ててみてもいい。量は減るけれど、味は変わらないよね?つまり、食塩水を捨てても変わらないもの。それは濃さです!」

聞いているのは強力な国語力を持つ、楽しみな新6年生の女の子です。
一を聞いて十とはいかなくとも八までは理解するような、そんな高い能力をいつも示してくれます。
しかし今回の返答はまったく見当はずれなものでした。

 
「先生、私はコーラを飲んだことないからわかりません!子供のうちはダメって言われています。うちはスナック菓子とかそういうのも禁止なんです」

 
そういう問題ではない(笑)と思いつつ……。
脱線しながら僕のお話は続きます。
 
「ああ、そうなんだ(笑)素晴らしいことだね!ご両親はきっと、こだわりをもって君のことを大切に育ててくれているんだ。コーラなんて飲んでも何にもいいことはないと思うよ。栄養はゼロで、飲んでも太るだけだ。何もかも自分で選ぶ能力がつくまで、君の周りのものはご両親が選んでくれているんだね」
「さてじゃあコーラの例はやめて…もしも味噌汁を……」
 
 
そうリスタートしようとすると、1才年上の女の子が突然、怒ったように口を開きました。
彼女はたいへん心優しい少女ですが、許せないことは絶対に許せないタイプ。
どうも怒らせてしまったようです。

「先生!そういう言い方はないと思います!この教室にもお父さんがコーラの会社に勤めている人がいるかもしれないじゃないですか。私はコーラ飲んだことがあるけど、ダメなんですか?それに家庭がどんな方針で子供を育てたって勝手でしょう!それを先生がいいとか悪いとかいう資格はないと思います!」
 

……………。 
すっごく怒られてしまいました(笑)
確かに配慮のない発言だったかな?
僕は「~も買ってもらっているから/~のうちもそうだから」と何かをせがむ子供に「うちはダメ」ときっぱり伝えるような育て方が好きです。
例えば夏休みの家族旅行中の夕食でも、スマートフォンや携帯ゲーム機を手放せない子供を見ていられない感覚というか。
子供に対してはダメなものはダメと言い切ることが大切な時もあると感じています。
そういう個人的な意見を軽く発信したかっただけなのですが。
 
 
ですが、乱暴なことを言ってしまってごめんねと、笑って謝りました。
そして内心では、コーラを飲んだことのない子も、大人に対してもはっきりと声をあげられる子もどちらも楽しみだと感じたことはもちろんです。
 
ちなみに後者の子は、ちょうど中学入試を終えたところ。
受験した学校は何と1校だけ!!
結果は……あえて書くまでもありませんね(笑)

  
 
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