【中学受験】算数で解き方を書くのは大切? →我流でいい。

「うちの子は、解答と全然違う解き方をしているようです。
式もなく、メモもグチャグチャで。
だから、算数がすごく苦手なんです。
Wisardに通ったら、きちんと解き方を書けるようになる指導をしてくれますか?」
 
お問い合わせのご連絡をいただいた際、こんなご質問をお受けしました。
これは「算数のできる子=ノートの綺麗な子・式をきちんと書く子」というおぼろげなイメージからくる言葉で、これは事実と全く異なるので、記事にしようと思います。
 
 

解き方を書くことは大切?

 
まず、解き方をきちんと書く、ということはそれほど重要視すべきことではありません。
では一番大切なことは何でしょうか。
それは、
 
とにかく答えを当てること。
自分の出した答えを責任を持って検討し、確かめる習慣があること。

 
です。
式を連ねていくことが、自分の考えを確かめるために有効であることを感じた生徒は、そうすればいいんです。
「解き方を書く」ことは「正解を出す」ための手段の1つであって、目的ではありません。
 
より実戦的には、正解を出すためには数式の展開よりも、線分図・面積図・速さの見取り図を書くことの方が価値がある場面が圧倒的に多いです。
この「図」に関しては、積極的に書くように指導しています。
慣れてくると、問題文を素早く整理するために効果的なことが生徒自身も実感でき、問題にアプローチする際のフォームになります。
つまり頭を使い始める前の段階で、自然と手が動くようになります。
逆に言うと、問題文をじーっと見ているだけの生徒、複雑な問題に対して式を1つ1つ書いて進めていこうとする生徒は、ほとんどの場合は得点力がありません。
 
 

模範解答と同じ解き方の方がいい?

 
さらに、解答と同じ解き方をする必要もありません。
僕が授業中によくいう事ですが、自信の持てる解き方は1つあればいいんです。
算数は自由な科目です。
解答に至るルートは数多くあります。
「こうかな?」「こういうことなんじゃないか?」
「これはどうだろう?」「よし、うまくいった!」
こんな風に自分の進む道を確かめながら、進んでいくのが面白いんです。
 
ですから、
「この問題は必ずこうやって解きなさい!
君は頭を使わなくていいから、言われた通りにしなさい!」
という指示に「はい、わかりました!」と従うだけの生徒が、算数が好きで得意になるわけがありません。
 
(これには注意点があります。
もちろん、教室の授業では全てのパターンでの解き方を説明してくれる訳ではありません。
ですから、問題が発展的になってきたとき、自分の解き方では先に進めないという場合もあります。
ただ、先生のパターンもお話を聞いて理解することができていれば、実際に解く場面では自信の持てる解き方を貫いて構いません)
 
 

4年生までと、5・6年生を区別する

 
冒頭のご質問のようなお問い合わせは、易しい問題をやりすぎることの弊害の1つです。
つまり、小学校レベル・受験生カリキュラムの4年生レベルの問題は、初歩レベルでは1本か2本の式で答えが出ます。
そして問題のパターンも少ないので、繰り返しによってどの式の立て方が最速なのかを生徒は覚えてしまいます。
すると、
 
算数の勉強=そのパターンの暗記を確認すること・正確さとスピードを上げること
 
という図式ができあがります。
 
これが非常に良くないことなんです。
なぜなら高学年に進んで問題のレベルが上がると、初見では方針が立たない問題も増えてくる上、解答に至る操作も格段に複雑になります。
すると字が綺麗で、式もきちんと書ける、基礎的な計算力もしっかり身についている、しかし算数は大の苦手な生徒ができあがります。
しかもさらに悪いことに、一生懸命やっているのにどんどん成績が落ちるため、どうしていいかわからないと悩むことになってしまいます。
 
算数=暗記ということを身体で覚えてしまうと、それを正すにはとても長い時間がかかります。
知らない問題=わからない問題 という感覚がなかなか抜けないからです。
まずそうならないように、繰り返しはほどほどにしましょう。
そして、お子さんが自分なりに身につけた考え方を大事にしてあげましょう。
 
この弊害に心当たりがある生徒は、
 
算数の勉強=粘り強く考え、何とかして正解への道筋を見つけ出す
 
ことが実感できるまで、じっくりと見守ってあげてください。
 
 
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