【中学受験】算数 過去問の取り組み方(6年生向け記事)

 

過去問演習が始まっていきます。

 
夏期講習が終わると、志望する中学校の過去問演習が徐々に始まっていきます。
御三家、それに準ずる難関校を受験する場合は9月から。
それ以外の中学校の問題を解く場合は、しっかり基礎力を固めた後の10月〜11月から扱っていくはずです。
 
志望校が過去に出題した問題を解くとなると、本人だけでなくご家庭も肩に力が入りすぎてしまう場合も多いことを感じます。
しかし、変に難しく考えることはありません。
演習の目的は
 
過去の入試問題を解き、
出題傾向に慣れること。

 
これに尽きます。
シンプルに考えましょう。
 
大手の塾に通っている生徒はマンスリーテストや公開模試・組分けテスト・首都圏模試など、模試の形式にはもうすっかり慣れているはずです。
本番でもそれに近い状態で臨めるように準備していくのみです。
 
 
あくまでも主役は生徒自身です。
受験生はこれまでの訓練で、「集中する」という技術を身につけています。
これは年齢を重ねれば自然と身につく力ではなく、経験を積んで獲得するスキルです。
子供たちはそれを存分に発揮して臨むはずですので、ご家庭はきちんと形式を整え、あとは応援してあげてください。
 
今回は算数の過去問の扱い方についてのみ、記述します。
他教科については、当然流れが異なりますので、注意してお読みください。
 
 

いつ過去問に取り組むのか。

 
週の中で、過去問に取り組む時間をある程度決めることをお勧めしています。
それと合わせて、模試が終わった日の午後やイレギュラーな学校休日等で進めていきましょう。
 
気合が入りすぎて、4科目一気に本番同様に取り組んだりする方がいらっしゃいますが、その必要はありません。
しっかり解き直しをする時間を確保して、1科目1科目丁寧に進めましょう。
解き直しの時間も、解く時間と同じくらい重要です。
 
ですから夜遅くから解いたり、疲れた状態でスタートしないように配慮してください。
それでは意味がありません。
 
 

どの順序で過去問に取り組むのか。

 
基本的には第1志望→第2志望→第1志望の順。
最新年度から順に。
入試が複数回ある中学校の場合は、学校の出題傾向によって個別に判断。
例外的な場合を除き、それ以外の学校は1年分解けば十分です。
(例外的というのは第2・3志望の志望が同じくらいのレベルで、なおかつ出題傾向がかなり異なる場合です。
わかりやすく言うと、例えば開成・聖光・筑駒と受験するのであれは、3校ともやらざるをえません)
 
 

保護者にできる、過去問演習の準備

 
問題・解答用紙のコピーです。
解き方を書く学校の場合は、解答用紙を拡大コピーすることを忘れずに。
基本的には赤本を使用するはずですので、余白が少ない形式になります。
その場合は、計算用紙も準備しましょう。
学校が実際の入試問題を販売している場合は、そちらを使用してください。
 
 

過去問の解き直しの方法

 
バツがついた問題の中から、「正解したつもりだった問題」「解けるはずの問題」を解答を見ずに自力で解き直すことから。
大問1から順番に直す必要はありません。
ノートはA4のサイズがオススメです。
自分で手を出せる問題を終えたら、解説を読んで解き直しましょう。
糸口をつかめれば、解答に辿りつけるものもあるはずです。
 
解答を読んでも理解できないものは、手を出さない方がいい問題である可能性が高いですが、提出する先がある場合はそれを明示して提出しましょう。
捨て問であることを確認するか、よりわかりやすい解き方の解説がつけられて返却されるはずです。
 
 

捨て問題の存在

 
全問解き直す必要はありません。
中学校の入試問題は満点が取れるようなテストではなく、ほぼ正解する生徒がいないような問題、ただ意地が悪いだけの問題も含まれています。
ですから、間違えた問題だけをストックして何回も解き直すようなアプローチは、基本的には間違っています。
(例外ももちろんあります。
難関校で言うと、例えば慶應中等部のようなAタイプ校。
同じ論点を繰り返し出題する傾向があり、その論点の中で間違えた問題のみを練習することが合理的である場合もあります。
それでも最終問題は捨て問であることも多く、全問のリピートはやりすぎな面もあります)
 
 

本番でのデータにはこだわらない

 
例えば合格者最低点や、合格者平均点ですね。
これはあくまで、本番での数字です。
取り組む時期もそうですし、本番で解くのと家庭で解くのでは大違いですので、比べられません。
それと比較して一喜一憂するのはお勧めできません。
 
あくまで勝負すべきなのは、自分の分母です。
本来得点できそうな問題で失点することが一番のチェックポイントですので、その点は妥協しないメンタリティを受験生自身が持っていることが理想です。
 
本番では、自分の守備範囲内の問題では、石にかじりついてでも答えを当てる馬力が求められます。
 
 

進行はリストを作って管理

 
進行状況はわかりやすくするとモチベーションが高まるので、リストの作成はお勧めしています。
ただし、得点について注目すぎると余計な精神的エネルギーを使ってしまいますし、悪くするとカンニングを助長することにもなりかねません。
得点については、あくまで淡々と扱いましょう。
 
 

まとめ

 
入試が始まるまで120日と少し。
多くの学習塾で通塾日数が増え、過去問演習も始まりますから、基本的には受験生は忙しくなります。
あまりに過熱した受験競争には個人的にはあまり賛成ではありません。
ですが人生の中で、必死に勉強する期間が役に立つことも確かです。
 
それから、中学入試は一生に1回しかないテストです。
悔いのない準備をしましょう。
そして目標を決めて頑張るお子さんを応援してあげてください。
 
 
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6 件のコメント

  • 阿部先生 こんばんは

    一年後の私は、どんな気持ちでこの記事を読んでいるのだろうかと想像しながら読みました。

    『主役』が思いっきり活躍できるように、淡々と粛々と『黒子』に徹するしかありませんね…

  • こんにちは。
    いつも参考に読ませていただいてます。
    夏休み、有名中を少しやりましたが受験者平均に届けばいい方で、あとは悲惨な点数ばかりでショックを受けました。受ける学校より下の偏差値ばかりなのに。

    この記事を読んで、もう少し我慢して見守ろうと思いました。
    が、やはり点が出るとどうしても気になりますね。
    秋から解く志望校の過去問があまりに出来ていなかったら、第一志望を変えるなど考えた方がいいのでしょうか。
    サピックスの次の11月の面談では相談するのも遅いので心配になります。

  • >abeblog
    主役は生徒自身で、先生もご家庭も脇役に徹することはもちろん大切です。
    受験は本人が100%、ですから。
    それでこそ今後の人生につながる実力をつけ、その結果として合格をもらうことができます。

    大手の通塾生は塾の拘束時間が非常に長いです。
    ごはんをしっかり作ってあげること、笑顔で迎え、送り出してあげること、話を聞いてあげること、教材の整理を手伝ってあげること…………。
    そういったことであっという間に時が過ぎていくはずですよ。

  • >サピママさん
    有名中過去問の点数は気にしても仕方がありません。
    お子さんなりに惜しい失点をしっかり解き直す習慣をつけられれば十分です。
    それと合わせて1点を惜しんで勝負する姿勢を少しずつ伸びていけばいいですね。
    Wisardの6年生クラスでも15本前後扱いましたが、受験者平均・合格者平均などは見てもいません。
    現時点では気にしなくていいでしょう。

    第1志望校の過去問については、個別・専門的な内容なので、学校によって全く異なります。
    得点を見ながら志望校・受験校について再考したいということであれば早めにサピックスにご相談になるか、Wisardにメール等でお問い合わせいただくこともできます。
    ただ、今の時期から心配するのは早すぎますので、まず2~3本頑張って取り組むのを応援してあげましょう!!

  • 阿部先生 こんばんは

    約、一年前のコメントを読み、なんだか泣きそうです(笑)
    一年前よりも、過去問のとらえ方がクリアになっています。
    過去問は所詮、過去問。同じ問題は二度と出ないのだから、あくまでも出題傾向に慣れる練習。それよりも、どんな問題と対面しても、ひるまずに落ち着いて向き合えるように、日々の学習を積み上げて行くことが大切だと解釈しています。

    『ごはんをしっかり作ってあげること、笑顔で迎え、送り出してあげること、話を聞いてあげること、教材の整理を手伝ってあげること』は、まさに、今の私の生活そのものです☆

  • >2581さん
    いよいよ過去問に取り組む時期ですが、構えずに取り組ませてあげてください。
    まだ本番まで5ヶ月もあると思って深呼吸です。

    日能研は追い上げ型の教室ですから、まず授業を大切に。
    自然とギアが上がってきます。
    伺っている第一志望校の2019年度はかなり厳しめで、年によって難易度は大きく上下します。
    算数はどんな問題なんだろうと、楽しみにするくらいでちょうどいいですよ。

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