【中学受験】合格力判定サピックスオープンの歴史

 

合格力判定サピックスオープンの歴史

 
合格力SOは首都圏模試/四谷大塚の合不合判定テスト/日能研の公開模試と並び、多くの受験生が受験しています。
今は当たり前のように存在するテストなのですが、それほど長い歴史があるわけではありません。
そんなことも書きやすい立場なので、このテストの歴史をテキストにしておこうと思います。
よろしくおつきあいください。
(注:文章を書いているアベの主観・偏見も含めた内容になっているはずですので、それをご了承いただいた上でご覧ください)
 
 

以前は四谷大塚の合不合判定模試が主流

 
10年前までは、サピックスの生徒も四谷大塚の合不合判定模試を受験していました。
当時は四谷大塚が、最も多くの受験者を集めることができる教室でした。
受験した結果のコピーをサピックスにも提出して、志望校決定の材料にするような形です。
母集団が多い試験で力を試すことが、サピックス生にとってもプラスだった時期だからです。
 
今の受験生たちの保護者の皆さんも、首都圏の受験生であった場合はかなりの確率で受験しているのではないでしょうか。
僕もこの記事に書いたように、受験しました。
 
 
さて、サピックスは自前でその母集団を提供できるという見通しが立った段階で、広い受験者層を集める合格力判定サピックスオープンを始めました。
つまり、「合不合判定テストにぶつけた/挑戦した」わけです。
結果は受験者数を見ていくと明らかで、一定の勝利をおさめたと言えそうです。
 
 

サピックスが代々木ゼミナールに買収される

 
少し話がそれます。
合格力判定サピックスオープンが始まってすぐの2010年に、サピックスは代々木ゼミナールが買収しました。
当時のサピックスは創業者たち、つまり授業力自慢の講師たちがコントロールできる範囲を超えて、大きくなりつつある段階でした。
人間には得手不得手がありますから、「0→10」の段階を得意とする人間が「10→20」の段階でも同じパフォーマンスを発揮できるとは限りません。
サピックスの場合は、起ち上げから軌道に乗せるまでをTAPという塾から飛び出したトップ講師たちのチームが行いました。
その旧経営者たちは、新しい渦を作り出す熱量を持っており、歴史ゼロで弱小の小規模塾をわずか20年の間に最大手に近いところまで育て上げました。
先生として非常に優秀だった方達が、経営もできる限り頑張った結果といえます。
 
 
そして、それを維持・拡大していく段階になって、大手の予備校だった代々木ゼミナールに経営権が移りました。
大学受験予備校は、中学受験の教室とは比較にならないほど規模が大きい会社です。
つまりわかりやすく言うと、サピックスは
 
「町の塾屋」から「経営の専門家」
 
の手に渡りました。
それによって、サピックスは地盤を固め、より多くの生徒を集めるようになっています。
旧経営陣が示した方向性をより大規模に、安全に進める専門家がリードするようになったわけです。
(例えば校舎を増やし、会社内部やネットの環境を整備し、訴訟に備える、といったことです)
 
ビジネスの役割分担という意味では、大成功だったのではないかと現時点で傍目からは思っています。
シェアを着々と固まり、今は簡単には倒れない大樹に成長しました。
もう、それを作った本人たちですら、打倒することができないほどに。
 
 

そして現在に至る

 
その流れの中で、サピックスの合格力サピックスオープンも順調に規模を大きくし、受験生全体の中での位置付けを確認できるテストになりました。
実は、試験が始まった当初は両方の模試を受験する生徒は少なからずいました。
つまり、規模が縮小してしまえば模試としての価値が保てないため、
「始めてはみたものの、やっぱり受験者層が偏っていて小規模だから意味がない」
「結果、短期間で消滅する」
ということもありえたわけです。
 
ですが、その段階を乗り越えて軌道に乗り、模試としての立ち位置を確立しました。
おそらく僕が中学受験に関わっているうちは、この状況が続きそうですね。
 
 

まとめ

 
まったく興味のない方も多い記事になってしまったかもしれません。
こういう記事はニーズがあるのかな?という試しもあり、サピックスの創業者に恩義を感じている人間もいることを形に残しておきたいということもあり、というところです。
いつまでもサピックスの元生徒/元講師を名乗るのもカッコ悪いなと常々思っているのですが(以前この記事にも書きました)、そういう立場の人間でないとできないことも少しはあるので、早めに済ませておこうと思います。
 
ちなみに、サピックス=勝ち 四谷大塚=負け、ということを言うつもりは全くありません。
四谷大塚のビジネスは教室の運営だけではありません。
教材の販売と、YTネットというフランチャイズ形式のようなもの(大学受験でいう、東進衛星予備校のように)という独自路線をとっています。
学習塾にはそれぞれ得意とする分野・生徒層がいますし、学生が自分にあった教室や模試をいくつかの選択肢から選べることはとても健康的なことです。
 
 
 
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4 件のコメント

  • 阿部先生 おはようございます

    今に至るまでのサピックスの歴史がよく分かりました。

    将来は、Wisardの歴史を語る方が出るかもしれませんね☆
    出ますように…

    それにしても、先生がおいくつなのか謎です(笑)

  • >2581さん

    いや、Wisardの歴史を語る人は出ないと思います。
    ああいう塾があったな、という思い出の方が濃厚です(笑)
    僕の年齢は秘密ですが、いい感じのシルバーベテラン講師であることは間違いありません!!

  • 10年は長いですね。
    色々な事があったなとしみじみ思い返されるのではないでしょうか。

    阿部先生のお歳ですが、かなり過去の記事でヒントが載っていたため、私はお歳がわかってしまいました!
    恐らく当たっていると思います(笑)?

    教室では阿部先生が最年長と少し前に書かれてもいたので、なるほどなるほどと講師紹介のページを拝見してましたよ。(笑)

    お会いしたこともないのに、ブログを通じて既にお会いしたことがあるような気分になっています(笑)
    近かったら是非お世話になりたいのに残念です!

  • >匿名 さん
    コメントをありがとうございます。
    え、ヒントなんてありましたっけ?(とぼけ顔)
    あれのことかな?あれを見ると確かにわかってしまうので、そろそろ修正しておかないといけませんね(笑)

    遠いところにお住まいなのに、こんなブログを読んでいただいて、むしろ恐縮なほどです。
    今後もなんとか、読む価値のある文章を書いていきたいと思います。

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