「先生、子どもの頃はどんな少年時代だったんですか?」
つい昨日のこと。
授業を終えて帰り支度をしている新5年生の女の子から、不意にこんなことを訊ねられました。
その時は、こんなお返事をしました。
「僕が子どもの頃は、君たちのように恵まれた生活はしていなかったよ。
例えばクリスマス。
君のうちでは、クリスマスツリーを飾っているんじゃない?
鳥の丸焼きを焼いて、ケーキのロウソクに火を灯して、家族みんなでワイワイと食卓を囲むでしょう。
そして、家族の温もりに包まれて、大きな靴下を準備してベッドに入る。
それが当たり前だと思っているかもしれないね。
でも、僕はそういう家庭には育っていなかったんだ。
そういう環境の子どもたちをどこかで羨ましいと思いながら、いつもひもじい思いをしていた。
暖かい世界は近くて遠い、別世界のことだと思っていた。
おなかがいっぱいになったことはなかったし、身なりはいつもボロボロで、小学校ではよく冷やかされていた。
クリスマスには、施設がお情けで配ってくれるたった1枚のビスケットを、弟と分けあって食べたものだよ。
そんな時は、いつか弟にもおなかいっぱい食べさせてやりたいと、そんなことばかり考えていた。
だから、君たちは大切に育ててくれる両親、家族に感謝しなくちゃいけないと思うよ」
家族の大切さを伝えたいと思うあまり、こんなテキト〜なことを話すこともよくあります。
たいていは、
「絶対ウソだ〜!!」
「ありえないでしょう」
「そんなわけないし!」
「ていうか、それでどうして私立の中学校に進学できたんですか?」
というようなリアクションが返ってきます。
ですが、その女の子はとても真剣な顔つきで聞いていました。
彼女は非常に考え深く、何事もまずじっくりと受け止めることのできる子です。
そんな表情に、なんだか騙しているみたいで申し訳ない気持ちになってきました。
すると、彼女は口を開いてこう言いました。
「そうだったんですね。
先生もたいへんだったんですね。
そこから、大学まで行ったんですから。
まさに、
蛍雪の功
というやつですね」
「!!!!!!」
まだ小学校では4年生、10才になるやならずやの子どもから、そんな言葉が出てくるなんて、びっくりではありませんか?
これは只者じゃありません。
今後がとても楽しみです。
この「只者じゃない」というフレーズ。
この言葉が自然と出てくるような生徒と巡り合えるのも、この仕事の面白いところの1つですね。
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