「先生、この本、面白いですか?」
ある生徒にそう声をかけられました。
Wisardは玄関口に本棚があり、好きな本を1冊借りていっていいことになっています。
彼は授業が終わり、帰り際に先生に声をかけて面白い本はないか、尋ねたわけです。
初めは僕の私物と買い揃えた書籍から始まり、
国語科のスタッフがオススメの書籍を並べていき、
卒業生たちが読み終わった本を寄付してくれ、
生徒たちのリクエストの本を注文し‥‥‥そして今に至ります。
ですから、僕も全冊読んでいるわけではありませんし、
何よりも面白い本は自分で探すもの。
よほど意見を求めているようであれば、もちろん答えます。
ですが、まずはやんわりと自分で選ぶよう促そうとした時のことです。
まだ授業中だった上級生が僕の代わりに答えてくれました。
このセリフが傑作だったんです。
「おっ、そのシリーズ!!
それはマジでやばいぞ!!
面白すぎて、間違いなく依存症になる。
僕も以前読んだ時、勉強がおぼつかなくなって、禁止令が出されたんだよ。
それくらい、面白いよ!!
それでもテストの前に1日1冊読んでたら、成績が思い切り下がった。
ほんとに、めちゃくちゃ怖い本だよ!
絶対にやめた方がいい!!!!」
あっはっは。
ものすごい褒め言葉ではありませんか?
表現も巧みで、きっと読書量があるんだろうなあと感心してしまう自分がいます。
冒頭の問いかけをした生徒は、迷わずその本を借りていきました。
そんなに面白いなら、僕も読んでみようかなと思うくらいです。
この答えている少年にとっても、夢中になれる本を見つけた経験は決して無駄ではなかったんだろうな、と感じます。
そういえば、昨年度の5年生の中に、毎回巨大なカバン?袋?を持ってきて、大量に本を借りたり返したりしている少年がいました。
その度に、七福神みたいになっているよ!とツッコミを入れていたのですが。
6年生になってそういう姿も見なくなったなあと思っていたら、夏休み前の実力テストで今までになかった、過去最高の成績を取ってきました。
何事もメリハリ。切り替え。集中力。ですね。
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