【中学受験】なぜ中学受験生は、過去問を解かなければならないのか(後編)

 
過去問をしっかりと解析し、至った結論は以下のようなことでした。
 
・多くの中学校の出題は一貫しており、例年類似した、同じ能力を要求する出題が想像以上に為されている。
・特に難関校は出題にかなり偏りがあり、過去問を含めた志望校対策は非常に効果的。
 さらにライバルたちが最低でも同様の対策はしてくるため、必須となる。
(・いわゆるAタイプ、幅広い単元から平易なレベルで出題される学校を受ける場合は、逆に過去問の重要度は下がる)
 
その日から過去問に没頭する日を定期的に作るようにし、そこから3か月で20校以上扱いましたが、この結論が徐々に補強されるだけという感覚でした。
「過去問は解いておかないと話にならない」はそういう意味では正しい言葉だと今も思っています。
 
さて、過去問演習によって身につく最も大切な能力とはなんでしょうか?
それは時間配分・見直しのスキルです。
算数は5歩前進4歩後退をくりかえす科目で、どのくらい自分の答えを確かめながら進むのか、時間をどのように使うのが最適なのかを常に判断する必要があります。
つまり、パッと見て全然わからない問題に粘るのか、さっさとあきらめて「解けているつもり」の問題を見直すのかという感覚は、受験生それぞれのバランスで、他者がアドバイスすることはできないということです。
 
さらに志望校の出題に慣れ、配置・単元から問題の難易度を測る感覚は本番で大きな武器になります。
例えば、一番最後の問題が最難問であることが多い学校があり、意地悪な分数が平気で解答になる学校があり、調べ上げは最後にまわすべき学校があり、それぞれその逆の学校もあります。
その感覚を磨くには「制限時間のある」演習がとても役に立ちます。
そして志望校で出題されることがわかっており、自分の習熟度に自信がない単元を補強する方向に動くことが出来ればさらによいでしょう。
 
ここで勘違いしてはいけないのは「過去問を解くことで問題が解けるようになる」わけではないということです。
ここが一番誤解されていると感じます。
過去数十年の過去問の解法を暗記するだけでは、翌年の問題で合格点はとれません。
演習は解法力を高めるのではなく、元々持っている能力を発揮する精度を高めるトレーニングです。
ですから、まず志望校に挑戦する学力を身につけていることが前提のお話です。
 
そういうわけで、
「疲れていたけど頑張って22時から過去問を解きました」
「時間配分に失敗して20分延長して解きました」
「1問だけ解答を見てもわからない問題があり、それを直そうとして1時間考え込みました」
 
というようなやり方は、過去問をやる目的を取りちがえている生徒のやり方、ということになります。
過去問はある程度扱っておいて損はありません。
ですが、「必要な能力を身につけてから、最後の仕上げとしてあつかってこそ効果がある」ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
 
…とりあえず今回は以上です。
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