教えるばかりが能じゃない。大切なのは自分でやること。

先週の授業中のこと。
5年生の女の子が問題を見つめて、じっと考え込んでいます。
 
「323/391を約分しなさい」
 
シンプルな問題ですが、色々と手を動かして考える必要があります。
じっと動かないので、わざわざ歩みよっていってこう言いました。
 
「これは絶対教えないから。できるまで自分で考えてね」
 
彼女は即座にこう答えました。
 
「別に教えてくれなくていいです。
自分でやりますから!!そっとしといてください」
 
実はこれは教える側にとって、会心のことばです。
なんでもないやりとりですが、算数においてとても大切なことが含まれているからです。
 
「まず、小さい数から割ってみたら?」
「素数だけ調べてみればいいんじゃない?」
「分子と分母の差をとってみると、何かが起こるよ」
 
先生がこんなヒントを出すこともできます。
でも、一番いいのは彼女が自分の力で進んでいくことです。
そして、横でゴチャゴチャ言われたくない、まずは自分でやってみたいと思う気持ちが得がたいものなんです。
道筋を見つけた時の嬉しさは格別ですし、試行錯誤した経験が確かな力となって残ります。
解法の知識・定石なんて言うものは後回しでOK。
そういう意味で、彼女は自分で考え、取り組む力をすでに身につけているということになるわけです。
 
 
 
さて、中学入試においては4年生、特にその後半から入試に必要な技術を習得していく段階に入ります。
それよりも早く先取りをする必要はありません。
大切なのは何かに夢中になる力、集中力・夢中力です。
それさえ持っていればいい、とさえ言えます。
大手塾は1年生からカリキュラムがあり、各塾が優秀な生徒を囲いこむためにしのぎを削っていますが、それにつき合う必要なんてないのになあ、なんて思ったりします。
 
4年生前半まで:集中力・好奇心・負けん気に磨きをかける。
4年生後半~6年生前半:入試に必要な考え方の基礎を身につける。
6年生夏期講習~:入試における得点力を訓練する。
 
もちろん生徒によって違いはありますが、おおよそこういうイメージです。
 
 
そういえばWisardでは例年、3年生の9月から新入室を承っています。
今年の3年生は、たったの2人だけ。
定員の関係で生徒を全く受け入れられず、超少人数での船出になりました。
3年生の算数ではほとんど何も教えず、ひたすらパズル、数字に強くなる問題を解きまくる授業をしています。
 
そのうち1人の生徒は、お父さんが教室に迎えに来てくれることが多く、いつも教室の入り口でしばらく待っていただいています。
僕があまりになにも教えていないので、いつか「ちゃんと指導してほしい!!」と怒られるんじゃないかとビクビクしているのですが(笑)
 
大人が手とり足とり教えてばかりではいけません。
子どもが自分の力でやり遂げてこそ、本当の実力がついてくるんです。
入試云々以前に、子どもを育てるうえで、これはもしかしたら黄金の法則かもしれません。
 
 
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