開成と桜蔭 その1
開成と桜蔭 その2
開成と桜蔭 その3
さて立場が変わり、今度は僕は受験生を指導する側に回り、サピックスで教えるようになりました。
生徒たちの新しいものに対する好奇心、お前なんかに負けてたまるかという競争心、能力の高さ、そして何よりも何かを学ぼうとする熱意にはいつも驚かされます。
これは今でもそうです。
そう言えば、僕の人生はそれでずいぶん変わりましたね(笑)
それくらい、強烈なインパクトがありました。
最高の授業をして彼らをいい方向に導きたいと思い、持てる力を振り絞っていた数年間でした。
さて、南浦和で担当している最上位の男の子の多くは開成を狙います。
どの子も素晴らしい力を持ち、1年間頑張りぬいた自慢の生徒たちです。
ですが、この子ならと送り出した生徒であっても、全員を合格に導くことはできません。
一発勝負の入試である以上、全員合格などということはあり得ない夢物語だということは、もちろん承知しています。
ですが、どこに出しても恥ずかしくない素晴らしい少年たちが涙を飲むのを見なくてはならないのは、言葉では言い表せないほど悔しいことです。
そして他の中学校と比べても、特に開成の壁は高いです。
少し言い過ぎかもしれませんが、一定の勝算を持って開成を受験する生徒は、その気になれば他のどこの中学校でも合格できる力を持っています。
そんな少年たちが、2月1日に受験する学校として開成を選んだばかりに、もう一歩届かないことがどれほど多いことか。
もちろん、難しいから受けるのはやめておきましょう、志望校を下げましょうといっているわけでは全くありません。
最高峰の学校に挑む子たちのことは立派だと思いますし、応援したいという気持ちは強く持っています。
ただし、それだけの難関であることをしっかりとわかった上で、挑まなければならない相手だということです。
その5に続きます。
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開成と桜蔭 その4

開成と桜蔭の記事、毎回ドキドキしながら拝見しています。5年の愚息も開成を目指していますが、鉄板上位層の下の浮動層で、4科揃ってかなりいい時でようやく、もしかしたら届くかも?という程度の感触です。息子の父や親戚など今の親世代が入った時と今の違いなどもあれば教えていただきたいです。
最近お世話になり始めた4年男子の母です。
息子も開成に憧れております。今後の成績の伸びはまだ分かりませんが、通いたいという本人の強い思いになんとか親としては沿いたいと思っています。
そして先生のブログとても楽しみにしております!
>5年母さん
5年生の時点での上位層、というのはそれほど気になさらないでください。
現時点で仕上がっている必要は全くありませんから。
今は可能性が感じられる、くらいで十分だと思います。
難関への合格を意識しすぎると、どうしても短いスパンで見てしまい、子供の成長を遮るような方向に導いてしまいがちです。
今はまだ余力を残している層が、半年後に追い上げてきます。
その時のために、短い時間・少ないエネルギーで勉強するスキルを育て、今しかできないことをやらせてあげてください。
親世代との入試の変化は僕のキャリアを超えているため、ハッキリとは申し上げられません。
ただここ10年間で、算数さえ突き抜けてできればいけるという傾向はやや減殺されつつあります。
算数はもちろん大切なのですが、算数だけでは押し切れない部分が大きくなっているように感じています。
>4年男子さん
夏休み以降、新入室の生徒はほとんどいないので、どうやら特定できていそうです。
ブログを書くことより、良い方向に導けるようにお子さんに直接、力を及ぼしたいと思っています。
新しい環境に慣れ、どこまで力を伸ばせるか、一歩一歩進んでいきましょう。
また明日、ですね!
先日もコメントさせていただいた男子母です。
今は4年ですが、1番上のコメントの5年母さんのように
>鉄板上位層の下の浮動層で、4科揃ってかなりいい時でようやく、もしかしたら届くかも?という程度の感触
という感じの息子です。
「今仕上がっていなくても大丈夫」とは具体的にどの程度で良いでしょうか?
大手塾で、この冬季講習中にできていないところを見つけて復習するよう言われていますが、TOP層になるにはまだまだやるべきことが無限にある気がしてしまいます。
「やることを絞って」「余力を残して」…
開成をめざす受験生は、4年、5年の時点でどの程度できていればよいという目安はありますか?
>男子母さん
コメントありがとうございます。
いま仕上がってなくても大丈夫、というのは低学年から短期的なテストの成績を追い求めたやり方をする必要はないということです。
4年生〜5年生前半の間にとばすだけとばすことで好成績を取っていたとしても、それを最後まで継続することはすごく難しいと思ってください。
いまお通いの塾の先生にご家庭で取り組むよう指示された最低限の内容を、できるだけ少ない時間でこなすことにエネルギーを使うことをお勧めします。
つまり、入試のためにやったほうがよさそうなことを探してどんどん取り組むのではなく、普段の1週間の学習と大きなテストの前の準備で効果を上げられるように工夫するということです。
残りの時間は中学入試の準備とは関係ないことに使ってください。
勉強時間で勝負してきた生徒は、徐々に抜かれていく入試になりがちです。
抜いていく生徒になるためには、限られた時間で集中して取り組むスキルが必要です。
それを意識しましょう。
そのやり方でサピックスなら60、他塾なら65くらいが目安でしょうか。
サピックスならα、日能研ならM上位〜TM、四谷大塚ならC上位〜S くらいがおおよその目安と言えると思います。
他の学校ならこれほどの成績は必要ないのですが、開成に限って言えば普通に取り組んでそれくらいの結果を出せる力は欲しい、というのが偽らざる感覚です。
具体的に教えてくださりありがとうございます!
短時間で集中して覚えきる!という意識を持たせてやらせてみます。
ご丁寧なお返事をありがとうございます!また、男子母さん、私の聞きたい点をズバリ質問してくださりありがとうございました。
とても腑に落ちた、そして力づけられるご指摘でした。息子は塾の宿題は確実にこなし、テストまでにそこそこ仕上げる方法は掴んでいるようが、プラスαの勉強はゼロ、冬季講習から帰ると暗くなるまで校庭で遊んでいます。親としては、せっかくいい位置につけているのだからもう少し、ともどかしいのですが、余力を残して短時間で成果を出すべき時期だと思えば多少は穏やかに待てそうです。
また算数だけでは受からない傾向についても、ありがとうございます。息子は男子にしてはバランスがよいほうとのことなので、時々大コケする国語を意識しつつ頑張ってほしいと思います。
受験生も大変ですが、他学年のクラスもある先生方はさらに大変な時期ですよね。どうぞ体調にはくれぐれもお気をつけください。
>男子母さん
お役に立てたのであればよかったです。
希望する学校に進学するために必要な偏差値等を気にすると、楽しく通ってるはずの塾での勉強がどんどん息苦しくなってしまいます。
長く継続できるやり方をとられてくださいね。
>5年母さん
プラスアルファの学習を意識しすぎると、結局どれだけやってもキリがないということになりがちなんですよね。
するとどうしても窮屈さというか、閉塞感が出てきてしまいます。
5年生までは入試の準備を意識しすぎず、大きく育てていきましょう。
暗くなるまで外で遊んでいることは、勉強には全くマイナスではありません。
おそらく学生時代にしっかりと勉強してきたご主人のお話を聞いてみれば、小学生の頃は塾漬けの勉強などしていなかったという答えが返ってくると思いますよ。