【中学受験】合格発表を見られないお母さま（前編）（2020年中学入試エピソード12）

 
中学入試が行われる２月。
学習塾の重要な業務のひとつに、生徒の合否の確認があります。
ほとんどの場合の目的は、次の入試に向けた現状の確認です。
 
ですが、中には進学校が決定している生徒の入試の結果を伺う場合もあります。
進学校が決定しているということは、
既により志望の高い学校に合格しているということですから、
そこから先の結果の重要度は、ご家庭にとってはかなり低くなります。
 
すると、ご家庭からご連絡をいただけないこともあります。
ご家庭にとって中学入試は一瞬にして過去のこととなり、
教室へのご連絡はもちろん、
時には発表を見ることさえもお忘れになっているケースがあるのです。
 
ただ、合格実績・進学実績を出している以上、教室としては把握する必要があります。
そのため、こちらからご連絡しなければならない場面が、それなりの頻度であります。
 
 
 
そういった時は、
 
「TRRRR。
お忙しいところ失礼いたします。
このたびは、合格おめでとうございました。
〜くんの〜中の結果ですが、いかがだったでしょうか。
もう進学校は〜中で決定していますが、
一応伺っておく必要がありまして‥」
 
「あら、忘れていました。
すいません！！
〜中も受かっていました」
 
「そうだと思いました。
ありがとうございます。
お騒がせいたしました」
 
こんな会話をすることになります。
 
 
 
さて2020年度。
このことで、記憶に残るエピソードが２つありました。
 
今年は、麻布中学校に進学する生徒が３人いたのですが、
全員が２月３日は海城中の第２回の入試を受験していました。
これは、２月３日の15時の発表で麻布合格・進学を決めた生徒のお話です。
 
２月４日の午前中に海城のネット発表があったため、
まさに上記のような会話を念頭において、確か15時前後にお電話でご連絡をしました。
 
そして恐縮しつつ、海城の合否を伺いました。
すると、思いもよらないお返事が返ってきたのです。
 
 
「先生、すみません。
まだ見ていないんです。
本人はもう、小学校に行ってしまって。
 
私は
 
こわくて、
どうしても見られないんです」
 
「えっ？？？
こわくて、
どうしても見られない？？」
 
 
次回に続きます。
 
 
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