算数は5歩進んで、4歩下がる。

昨年度の入試直前。
約数の総和を求める公式を扱っていた時のことです。
ある女の子とこんなお話をしました。
 
「おっ。2016の和、しっかり公式を使って求めているね!!
習ったばっかりだったのに、よくすぐに使えたね。
覚え方がぼんやりしていると、こういう公式は自信を持って使えないよね」
 
僕がそう言うと、彼女は平然としてこう答えました。
 
「いや、別に。
小さい数、今回は12で確かめてから使ったので、全然平気でしたよ」
 
約数の和の確認
 
どうでしょう?
何か感じませんか?
 
算数は自分で進んでいる道が正しいかどうかを確認しながら進んでいく科目です。
式1本でスパっと答えが出るような問題は、初歩の初歩だけ。
数式や図を使って考えを紡いでいき、解答に至る能力を測っています。
 
彼女はスピードや要領のよさにはやや欠けるものの、1問1問の解法力は非常に高い生徒でした。
アベブログでは新年早々、よい質問の記事で一度登場しましたね。
(そういえば2016問題は駒場東邦で出題されました。
次の解法テクニック記事で扱っていきます)
 
 
さて、得点力の高い生徒は本当に自分の答えがあっているのかどうかを非常に慎重に考えています。
例えばよく言う「見直しをする」場面にしても、絶対に正解している自信がある部分と、もう一度チェックしないと不安な部分が視野の中で色分けされており、見直しをする時は自然と黄色信号のところのみチェックをかけています。
 
逆に、本当の算数の力がついていない生徒は、その色分けが為されておらず、「とりあえず答えは出た」という怪しげな解答がテスト全体に拡がっています。
ですから、見直すといってもどこをもう一度やるべきなのか、ポイントが絞れません。
(そして「とりあえず」出た答えは高い確率で間違っています)
 
 
そういうわけで、冒頭の女の子のセリフは本質を衝いたことばだと思います。
極端なことを言えば、このセリフを言える生徒を育てるために授業を行っているとさえ言えます。
論理的に考えることができている生徒でなくては、言えないことだからです。
 
早くも、新年度が始まって2週間になります。
今年の6年生についても、少しでも多くの生徒をこのレベルにまで持っていきたい、と日々考えています。
 
 
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