【中学受験】ギフトとアスペルガーの続き。

前回の続きです。
そういうお話を伺った時、僕が心から申し上げるのは、
 
「普通って何ですか?
みんなと一緒でなくてはいけないんですか?」
 
ということです。
 
こだわりが強くったって、周囲から浮いていたって、戸惑って動けないことがあったって、何かを上手にできないことがあったって、癇癪持ちだって、別に構わないんじゃありませんか?
 
小学生が完璧なコミュニケーションをできる必要なんてあるでしょうか。
まず発信することを習いおぼえ、それから相手のお話をしっかりと聞くことを学んでも遅くはないはずです。
約束を守れないことだってあるでしょう。
なかなか他人との距離を縮められない子だっているでしょう。
まず感情があって、自分なりに考えていることがあって、人に伝えたいことがあること。
それが一番大切で、それで十分だと思います。
 
まして、僕の目からものすごい可能性を秘めていると思うような生徒のお母さんも、真剣に憂いていたりするので、勿体なく感じてしまうのです。
むしろこちらの方はどちらかと言えば、「みんなと同じではいけない」と教えたいくらいだというのに。
 
 
例を挙げます。
 
僕が小学生で、初めてサピックスのα1の教室で授業を受けた時、それまでいたクラスとあまりにも雰囲気が違うことにびっくりしました。
とにかく、ものすごく教室がうるさいんです。
経験したことのない種類のうるささ、小学校では見たことのないタイプの子たちばかりでした。
クラスのほとんどが自分の言いたいことを言いまくります。
授業前はたいへんな騒ぎでした。
全然会話になっていなくても、関係ありません。
先生が来て、授業が始まっても一緒。
手も挙げずに発言するので、凄まじいスピードで授業が進んでいきます。
そして一言も言葉を発さずに押し黙っている子も、たまに指名されるとたいていズバリと要点を答えます。

 
正直、この子たちには全く敵わないなと感じましたし、実際すぐに落っこちました。
こういう子供達が存在するということを知っただけでも、大切なことを学べたと今は思っています。
その子たちは小学校では、いい意味でも悪い意味でもさぞかし目立つ子だったでしょうし、もしかしたら完全に浮いていたかもしれません。
そのクラスの半数以上が、今だったら何かしらの症例名が付いていたり、カテゴライズされているのかもしれませんが、当時はそんなものありませんでした。
今はきっと立派な大人として、世界を相手に大活躍しているはずです。
 
 
もちろんこれは極端なケースで、別に最上位の生徒なんかである必要なんてありません。
実際、Wisardの体験授業で入室をお断りするケースは
 
・6年生中盤以降で、実力と志望校があまりにもかけ離れており、お役にたてないと判断した場合
・学ぶことの面白さを感じることができない生徒で、学力を伸ばせるビジョンが全く浮かばなかった場合
 
だけで、これまで8年間の中でおそらく10人以下です。
つまり、基本的にはどんなお子さんも伸びるんです。
(これは御三家を初めとする難関中学校に合格できるか、ということとは全く別問題です)
 
人間の本質的な部分が変わらなくなるのは、ある程度年齢を重ねてからのことで、小学生は柔軟です。
短期間のうちに大きく変わることは珍しくありません。
幼い時点でレッテルを貼り、病人扱いする必要なんてないのではないでしょうか。
 
 
そこで素敵な言葉があります。
「ギフト Gifted」です。
 
飛び級クラスの天才的能力を示す場合もありますが、もう少し広い意味で使った方がよいと思っています。
その子供は世界で一人しかいませんし、全員が生きていくための能力を持って生まれ、本能的に多くのことを学びながら成長していきます。
どの子もギフト(贈り物)を持って生まれ、たくさん苦労して一人前になっていけばいい、その準備を手伝うのが親の役割だと考えれば、少しおおらかにお子さんを育てられるのではないでしょうか。
 
 
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