中学入試での精神力

前回の続きです。
 
中学入試における精神力という文脈で、6年前に送り出した生徒のエピソードを書きたいと思います。
 
彼は生真面目で、とても素直な少年。
暗記科目に強く、国語に弱点があったものの算数もしっかりした力を持っていました。
中学入試が近づくにつれて頑張りを見せてくれ、2月1日は十分な勝算があると見ていました。
 
ところが1月、入試初戦で1点差で特待クラスを逃し、第2回で合格したもののやや不安の残るスタート。
そして、2月1日のA中学校は不合格。
悔しくてなりませんでしたが、2月2日に当日発表のB中学校までまさかの不合格。
1年間通して、少なくともデータ上は不合格になる要素はなかったと言ってもいい生徒でした。
本人にとっては悔しさを通り越して、何が起きているのかもわからなくなるような結果だったと思います。
A中学校の第2回の入試でも良い結果は出ず、苦しい状況でB中学校の最後の入試を迎えました。
 
 
最後の入試の日、少しでも平常心で受けてほしいと僕は校門の前に立っていました。
そして、彼がやってきます。
 
僕を見つけるなり、沈み気味だった彼の表情が絵に描いたようにパッと明るくなり、駆け寄ってきてくれました。
その時は、本当に来て良かったと思う反面、彼がこんな精神状態で入試に臨んでいたのかと愕然とする思いでした。
もちろん、2月に入って未だ合格がない状況で、ハッピーな気持ちの訳がありません。
 
でも、
 
「先生、何しに来たんだよ!
この学校のテストで2回も不覚をとるなんてこと、ある訳ない。
先生の力なんて借りなくても合格できる。
僕を信じて、放っておいてくれよ!」

 
それくらいのメンタリティでいてほしいところなんです。
僕の顔を見て安心しているようでは、本来の実力の80%も出せていなかったんじゃないでしょうか。
気持ちの強い生徒に育てるために、もっとできることはなかったんだろうかと思わずにはいられませんでした。
 
 
さて、このお話には後日談があります。
彼は無事にB中学校に合格して進学。
そして先月、この少年から電話がかかって来ました。
私立で不合格になった大学もあったものの、第一志望の国立大学に合格したという知らせでした。
今回は第一志望校の入試で、力を出し切れたということなんだと思います。
6年間でよく成長したな、と嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
 
実力をつけることがもちろん一番重要です。
それに加えて。
持っている力を出し切れるような準備ができていること、強い気持ちを持っていること。
それも大切なんだということが、伝わればと思います。
 
 
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