【中学受験】2023年度 武蔵中の算数 講評+解説動画

 

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武蔵 算数の特徴

 
武蔵の算数には、いくつかの他の中学校と大きく異なるポイントがあります。
 
①伝統的に問題文が手書きであること。
②問題数が非常に少ないこと。
③解き方・過程を積極的に採点する方針であること。
④出題単元が限定され、ほぼ例年変わらないこと。
⑤算数は得点差が大きく開くタイプの出題。
算数が得意であることで他教科の失点をひっくり返せるような形式であること。

 
となります。
 
 

①伝統的に問題文が手書きであること。

 
問題用紙が手書きの問題で、余白がとても大きいことはパッと見で目を引きます。
有名中で言うと、現在でも手書きで出題しているのは、
九州のラ・サール中くらいです。
 
受験生が実際に解く上ではそれほど影響はないので、
 
・過去問演習の際は、学校販売の問題用紙を用いてもよい
(必須ではありません。市販の赤本のものでも十分と考えています)
・各塾の志望校別の模試を何本か受験し、形式に慣れておく
 
ことを意識しておけばよいでしょう。
 
 

②問題数が非常に少ないこと。

 
武蔵の特徴は、問題数がとにかく少ないことです。
その意味で近いのは、御三家中では雙葉です。
 
2023年の出題の小問数を単純にカウントすると、
 
開成:18 麻布:29 武蔵:11
桜蔭:23 JG:27 雙葉:13
 
(麻布はできるだけ別答としてカウントしているため、
2023年度は例外的に多くなっています)
 
となり、武蔵の算数が、
問題数が際立って少ない形式であることがわかります。
 
 
そこから導き出されることとしては、
 
・スピード勝負ではない。じっくり解ける形式であること。
 
(大手の塾のの模試は例外なくスピード・正確さ、
つまり処理能力を評価するテストのため、
「武蔵の算数の形式なら、より力を発揮できる生徒」は少数ながら存在します)
 
・解答までの方針の立つ問題については、
時間を使っても必ず正解する訓練。
その結果として獲得できる「勝負強さ」が
求められる形式であること。

 
ということになります。
 
 

③解き方・過程を積極的に採点する方針であること。

 
算数は基本的に答えを当ててなんぼ、の科目です。
(これは大学受験数学との大きな違いです)
 
そのため、必要以上に意識することは、
むしろマイナスです。
 
採点の際も、答えがあっていれば、
よほどまずい解法だと露骨にわかる場合以外は、減点はない、

と考えてよいでしょう。
 
 
受験生としては、9月以降の志望校別のトレーニングの中で、
 
・重要な方針・数字・図・計算・式はできるだけ残すようにすること。
 
(試験の採点には基準があります。
公正な採点のため、なんとなく部分点を与えることはありません。
ポイントを稼げる記述のパターンは決まっています。
方針・進行は正しいのに、答えだけが間違っている場合に備え、
自分の思考をかたちにして、得点を拾いにいくことを意識することが大切です。
 
逆に、絶対に正解していると確信できるイージーな問題の解き方を
くどくど書く必要はまったくありません)
 
 
・考えの順番がわかりやすい答案を心がけること
 
(小学生はこれが特に苦手です。
単純に、「左上から右下へ」の記述の順番を意識するだけで、
ずいぶん見やすい答案になります。
 
答案は順番も含めて考えを残すものです。
思いついたところにメチャクチャな順番に式や計算を書いてしまうと、
いくら好意的に採点する方針とはいえ、
部分点を拾いきれない場合はあるでしょう)
 
 
この2点だけを意識するように、授業では教えています。
 
 

④出題単元が限定され、ほぼ例年変わらないこと。

 
武蔵の算数の対策をするうえで、
この点が最も重要です。
 
・平面図形
・速さ
・場合の数
 
この3分野については、絶対的な自信が持てるまで、
重視して準備をするべきです。
4題出題のうち、ほぼ3題は上記の分野から出題されます。
 
 
なおかつ上記に記したように1問あたりの配点が非常に高いため、
大問を完答することで、合格に大きく近づくことができます。
 
次点として数の性質、和差・比の文章題も挙げられますが、
合否をわける重要な1題になっていることは少ないことから、
上記の3単元に絞って注力することをお勧めしています。
 
 
具体的には、通っている塾の教材を上記の3単元についてはやり尽くすこと。
これが最もポピュラーなアプローチで、
負担も少なく、1年間継続しやすいはずです。
 
Wisardでも武蔵志望の生徒には、
この単元については毎回の授業で目いっぱい鍛えるという方針をとっています。
 
 
さらに余裕がある場合は、
 
・上記の単元の特集号のみ中学への数学を解くこと、
・あるいは図形のレベルアップ演習のページのみ毎週解くこと、
 
が市販のテキストを使用するのであればよいでしょう。
ただ、ここまで取り組む余裕がある生徒はすでに上位合格層に入っている可能性が高いですし、
強化すべき点を検討して算数強化が最善の策である場合のみでよいでしょう。
 
WISARDNETのTacticsも非常によいと思います。
これは宣伝になってしまいますが。
 
 

⑤算数は得点差が大きく開くタイプの出題。

 
これだけ単元が絞れていると、
さすがに対策はしやすいです。
 
もちろんライバルの受験生も同様の準備をしてくるはずですが、
上記の3単元について納得のいく準備をすることができれば、
算数で80点を超えるような高得点をとり、
他教科のデキが少々悪くても、それをひっくり返せる可能性があります。
 
 
国理社についても記述式を採用していて、
完全なBタイプ校であるという特徴がありますが、
国語の記述に字数制限がなく、
 
「ダラダラ長く書いて、
部分点を拾いにいく」という作戦をとることができ、
(国語の先生の中には、
乱暴な言い方に怒る人もいるかもしれませんが、
ご容赦ください)
 
麻布・駒東のようにポイントを手短にまとめる、
という技術の重要度が低いです。
 
 
そのため、訓練によって武蔵の国語では、
ある程度戦えるようになることが多い印象です。
 
あくまでも主観的な意見として読んでいただきたいのですが、
少なくも麻布・駒東と比べて、
「国語は苦手だが、算数は得意」な生徒が合格しやすいことは間違いありません。
 
 

御三家ではないと揶揄されたのは、もう過去のこと。
惚れこんで受験する学校です。

 
武蔵は難関校の中ではここ20年でかなり偏差値が変動した学校です。
 
一言で言うと、
ここ10年でかなり難しくなりました。
 
 
もう御三家は開成・麻布・駒東でいいんじゃない?
と言われたのは過去の話。
 
麻布・駒東が無理そうだから武蔵にする、
という安易な考えはおすすめしません。
 
入試問題も特殊ですし、
 
「絶対、武蔵に6年間通いたい!」
 
という意思で、
受験の準備をしてほしい中学校です。
 
 

2023年度 武蔵 算数 総評

 
例年通りの構成でした。
 
大問1は数の性質と場合の数。
 
場合の数の2問目はやや差がつきますが、
はずしても許容範囲。
 
大問2のニュートン算は変則的ではあるものの、
できれば正解したい、最低でも時間までは出したいレベル。
 
大問3の平面図形はできなければ言い訳しようがない、
絶対に得点してほしい問題でした。
 
 
大問2・3が時間があまりかからない出題だったため、
大問4に時間をさきやすかったのが、今年の特徴です。
かつ大問4が調べれば正解しやすい問題だったことから、
細かく小問にわかれたこの問題をどこまで解き進められたかも、
例年と比べると重要だった印象です。
 
合格者平均点は70.5点なので、
落とすのは大問1(2)と大問2・3のいずれかで多少落とし、
大問4は半ばまで、というのがアベレージの合格答案です。
 
大問2・3を完答できれば、ほぼ合格しているでしょう。
 
 
 
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