【中学受験】2019年度 麻布中学校 算数 入試問題の分析

 
2019年度の麻布中学校の算数入試問題についてです。
各問の講評も含めて。
 

大問が1問減りましたが……

 
麻布は時間も60分で計算処理も少ないため、じっくり解ける入試問題です。
ですから、大問が1問減ったところで、ほとんど関係がありません。
用紙のサイズ・量も同じですしね。
1問あたりの作業量も大問5を全て書きだそうとした場合を除いては、例年と大差ありません。
時間的には余裕があった受験生が多いのではないでしょうか。
全体としては、昨年度と比べるとかなりオーソドックスな出題で、麻布に向けてどれくらいの努力を積んできたかがストレートに表れる出題でした。
 
 

2019年 麻布の入試問題

 
大問1:和差の文章題
 
(1)(2)Aランク
 
珍しい問い方なので一瞬戸惑うかもしれませんが、落ち着いて処理したいレベルです。
(2)はとりあえず9.4℃に揃えると、キレイに割り切れるので自信を持って答えられる生徒が多かったはずです。
 
大問2:速さ
 
(1)Aランク(3)Bランク
 
バスが20秒で進んだ距離が太郎が200秒で進んだ距離と等しい、というところまでは絶対にたどりつきたいところです。
(2)も図で整理すればそれほど難しい問題ではないですが、比を正確に把握して処理するところで、差のついた問題だと思います。
 
大問3:立体切断
 
Aランク
 
麻布では珍しいストレートな立体切断です。
ほぼ全ての受験生が類題を解いたことがあるはずですが、麻布対策として扱ったわけではないタイプの問題です。
切り口を補って三角形として面積比で処理しますが、長さの比をきっちりとれないと正解には至れません。
非常にシンプルな問題なのですが、おそらく6~8点くらいの配点があるはず。
きっちり正解したい問題です。
計算をミスった時のために、切り口の図を書いて3辺に長さの比を書きこみ、部分点を狙う姿勢もあったほうがよいでしょう。
(この問題のレベルでは確実に正解したいところですが、そういった癖がついている生徒は実戦慣れしていると言えます)
 
大問4:数の性質
 
(1)(2)Aランク
(3)Bランク(4)Cランク
 
麻布らしい数列の問題ですが、特に目新しさはありません。
最小公倍数21を周期として考えることは麻布の受験生であれば常識。
(2)までは絶対に落とせません。
(3)はやや計算処理が複雑なのでBランクとしましたが、計算式をたてて正確に解答してほしいレベルです。
(4)は当然のことながら前問までが誘導になっており、「1番目と100番目の違いは常に231」であることに気づけた賢い生徒は、等差数列一撃で解けるボーナス問題です。
しかも、その方針で割りきれなかった場合は(3)が不正解と分かるので、検算にもつながって一挙両得です。
ただし、まともに探しに行った場合はかなり時間がかかるはずですので、ストレートな解法が思いつかない場合は、迷わず飛ばして問題ありません。
 
大問5:試行力
 
(1)Aランク
(2)Bランク
(3)(4)Cランク
 
(1)はルール把握なので必答。
(2)は書き出しで取りかかると、正解に至るのは少し厳しいかもしれません。
(1)での自分の書き出しを眺め、「7回で針の位置が元に戻ること」に気づき、7の倍数回だけをチェックするという方針を立てられないと、28回という正解にはたどりつけないでしょう。
この問題は複数のグループに分かれてシャッフルされ、最小公倍数で元に戻るという典型パターンです。
定石といっていい解法なのですが、全く同じ問題を解いたことがある受験生はいないので、自分のもつ技術を駆使してその場で考えて知識と結び付ける必要があります。
算数が得意で、偶数奇数が移動する規則に気づいた生徒は(4)まで一気に正解できる可能性があり、その場合は合格に大きく前進したはずです。
ただし、(2)からはさっぱりわからずに(1)だけ徹底的に見直して、前半のチェックに時間を割いても合格することは十分可能です。
 
 

まとめ

 
麻布の難易度としては「標準」レベルです。
2018年度がやや難しいレベルでしたので、それと比べれば取り組みやすくなっています。
合格点を取る上では、Aランクを全て正解し、Bランク3問のうち1問でも正解すれば十分です。
大問4・5共に完答することが十分可能なレベルのため、算数で大きく得点を叩くことが可能なセットでした。
算数を武器として麻布に挑んだ生徒にやや有利な出題だったかなという印象です。
 
 
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