サッカー大会に熱くならない受験生（前編）

これも前回、ブログに書いたのと同じ日のことです。
お父さんの面接のお話をしてくれた女の子が帰っていき、最後まで残っていた少年の帰り際。
片づけをしながら、彼が意外なことを言い出しました。
 
「先生、僕、サッカーがすごくイヤなんですよ」
 
「え、いきなりどうしたの？」
 
「この前まで、学校がサッカー大会の準備一色だったんです」
 
「ああ、そうだったね」
 
 
地域柄なのでしょうが、埼玉の小学校はサッカー大会とバスケットボール大会、陸上大会にはかなり気合が入っています。
子供たちが教室に到着する時間にかなり影響するので、ほとんど関係のない我々も認識しているくらい。
中には朝練や放課後練習など、練習に相当なエネルギーを注ぎこんでいる学校やクラスもあるようです。
 
「練習の時、とにかく先生にメチャクチャ怒られるんですよ。
「お前、なんでそっちにいるんだ！」
「お前はこっちにいろ！」って、怒鳴られるんです。
それがすごくイヤだったんです。
戦術って言うんですか？
それがよくわからないんですよ。
とにかく、ボールを追いかけ回しちゃダメらしいです」
 
「あぁー、確かにサッカーって頭脳戦的なところもあるのかな。
ポジショニングとかスペースとか、システム化されてるんじゃない？」
 
「とにかくゴチャゴチャ言われるし、怒られるし。
全然楽しくなかったんですよ‥‥。
それで‥‥」
 
「それで？」
 
「この前本番があったんですけれど。
実際の試合では‥‥ボロ負けしたんですよ。
それで終わった後、クラスのほとんど全員が大泣きしていたんです」
 
「へぇー、すごいね。
みんな気持ちが入っているんだねえ」
 
「でも、僕は全然泣く気になんてならなかったんです。
むしろ、
 
ざまあみろ！！
 
って思ってました（笑）」
 
「あっはっは。
そんなにストレートに話してくれるなんて、君は正直者だね（笑）」
 
 
１人で大爆笑してしまいました。
セリフだけを見たら、
 
なんて意地悪な子なんだ！
 
と思う方もいるんでしょうか。
僕は、全然そうは思いません。
なぜかというと‥‥長くなってきたので、次回に続きます。
 
 
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