【中学受験】進学教室から見た、大学付属校のメリット・デメリット。

 
今回は、大学付属の中高一貫校への進学についての記事です。
一般的な情報だけでなく、実際に生徒を送り出している教室の考え方も交えた内容になります。
 

教育の目的は実力をつけること。

 
中学受験は、
 
「子供を社会に送り出す過程で与える、試練の1つ」
 
です。
 
そして、
 
「努力する環境と成長するチャンスを与える機会」
 
でもあります。
 
目的は第一志望校に合格することではなく、
 
子供自身が受験をきっかけに力をつけ、さらに成長できる環境に進むこと。
 
(最終的には)自分で考えてそれを実行する実力をつけること。
 
です。
そのためにご家庭として協力していくということが、子育て・教育の根底にある思想だと考えています。
 
 

大学付属校のメリット・デメリット

 
そういう意味では、「もうそんなに勉強しなくとも、〜大学にはいけるよ。安心しなさい」というメッセージは、それと逆行する部分があります。
「エスカレーター」というかなり悪意のある表現がありますが、教育の本質は「自分で階段を登れるようにすること」ですから、中には子ども自身が「自力で登らなくてもいい」と勘違いしてしまうケースもあるのでは、ということですね。
「実力をつけろ」というメッセージと「頑張らなくてもいい」というメッセージが混在しているようなイメージです。
ご家庭は子どもに対して常に一貫したメッセージを送ることは大切です。
子どもが混乱しないような伝え方が難しいのかなとは感じます。
 
 
もちろん、メリットもあります。
 
・大学までのキャリアが確実になる。
 
・バックボーンのある生徒の割合が多いため、のちにつながる人脈ができる。
 
・大学卒業までの10年間のイメージがしやすく、留学やスポーツ・芸術・芸能などの活動に力を入れることができる。
 
・大学受験準備に一部含まれる、将来に全く繋がらない学習にエネルギーを割く必要がない。
 
上記のように、魅力はたくさんあります。
常に人気を集めるのも当たり前ですね。
 
 

大学付属校をお勧めするケース

 
Wisardはどちらかというと大学付属校(特に、卒業生の80%以上が大学付属に進学するような中高)をお勧めすることは少ない学習塾です。
過去の合格体験記を見ると、付属校へ進学した生徒はかなり少ないことがわかります)
特にアベはその傾向が強いということは自分でも感じており、偏り過ぎないように注意することを心がけています。
大学付属校を勧めるのは以下のような場合です。
 
 
・(ご家庭の意思が明確である場合)
もちろん、それに従います。
以下のパターンは、先生としての意見をご家庭から求められた時にのみ申し上げることとしてご覧ください。
 
 
・志望校として早慶をお勧めする場合。
ここへの付属校に中学から進学するためには高い学力が必要ですし、入学後もレベルが担保されているのでそれほどサボれません。
また、早稲田・慶應は一流の難関私立大学です。
進学大学はそこに決め、人脈も含めて大学入試にとらわれない成長ができるという意味で、大学付属校のメリットを享受できるということは言えると思います。
 
 
・勉強より他の分野への関心が強い生徒の場合。
中高生活を送る上で、受験校の場合は常に進学大学のランクはついて回ります。
それに振り回されず、のびのびと中高生活を送ってほしい場合は、大学付属をお勧めすることもあります。
 
 
・勉強が大っ嫌いな生徒の場合
上記と少しかぶるようですが、ニュアンスはかなり違います。
とにかく勉強したくない生徒の場合、この子は大学受験が無理なのでは?と感じることもあります。
例えば「英単語を暗記する」とか「定期試験の前は試験範囲を復習する」というようなコツコツ型の学習に適応できる見通しがない生徒には、大学付属を強くお勧めすることにしています。
 
 
・ご家庭の教育熱が高すぎる場合
子供に勉強させよう、という熱意が強すぎるご家庭は存在します。
受け身タイプの子どもの場合、親に潰される寸前で中学受験を迎えてしまうこともあります。
中高進学後もそれが続くのは大きなマイナスということが明らかなので、少しでも手綱をゆるめられる大学付属をお勧めします。
 
 

ネットで見つけた大学付属についての記事

 
「早慶・明治・日大も 中学受験で付属校人気がさらに上昇の訳」(2018年3月)
 
ネット上でこんな記事を読みました。
(下記の通り、内容は微妙なのでリンクは貼っていません)
2017年度の大学入試が難化したことによる影響ですね。
「ふうん、そんなものなんだなあ」と思って読んでいたのですが、むしろ気を引かれたのはそのすぐ下に掲載されていた関連記事の見出しでした。
 
「中学受験で付属離れ 早稲田慶應でさえ受験者減が止まらない」(2013年2月)
 
‥‥。
まったく逆のことを言っているではありませんか!!!(笑)
中学受験全体の動向なんて、その程度のものなんです。
1人のお子さん、1つのご家庭はそんなものに判断を左右されてはいけません。
 
こんな周囲の状況・些細な変化に影響されるのは、子育てにおいて健康的なこととは思えないですよね。
せっかく多くのエネルギーを投入して中学受験に挑むのです。
「ぜひこの学校に子供を進学させたい」という学校をしっかり探していくことが大切、という思いを新たにしました。
これがこの記事を書いたきっかけになりました。
 
 

まとめ。お伝えしたかったこと。

 
この記事を書く上でお伝えしたかったことは、「本当に子供を進学させたい学校を見つけましょう」ということです。
大学付属校・大学受験校は非常にわかりやすいカテゴリ分けです。
ですから、学校選びのかなり早い段階で考慮する事項になるはずです。
 
それ以外にも、中高一貫校には様々な特色があります。
アクセス・卒業生の進路・大学進学実績・伝統・設備・評判・説明会での印象‥‥、いろいろな角度から検討し、志望校を決めることが大切です。
 
また、志望校は1つである必要はありません。
もちろん進学できる学校は1校だけではあるのですが、迷ってしまって決めきれないような学校が複数あることは、幸せなこと、ラッキーなことだと思います。
 
 
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1 個のコメント

  • こんばんは

    はっきり、くっきり伝わりました☆

    第一優先条件を何にするかの違いだけで、第一志望校にしたい学校がすでにいくつかあり、あとは娘の仕上がり具合待ち?といった心境です。

    一年後の今ごろ、私と娘はどこに向かっているのかを見てみたいです…

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