計算ミスを減らす!(後編)

さて、突如塾からかかってきた電話……。
もちろん僕はゴロゴロしているフリをしながら、聞き耳をたてます。
 
よくよく聞いていると「何かお困りのことはありませんか?」的なお伺いの連絡だったようでした。
誰でも叩けばホコリはでるもの。
塾からの帰り道での買い食いや、駅構内のエスカレーターで鬼ごっこを欠かしていなかったことがバレていなかったことに、まずはホッと胸をなでおろしました。
しかし逆にまずいことに、うちの母は塾での勉強には一切タッチしていなかったため、「お困りのこと」などあるはずもありません。
 
ですから、当然お話も弾みません。
そこで母がハッと思い出したように面倒なことを言い出しました。
「そういえば、うちの子はテストのたびに最初の計算問題を間違えているようです。
それから初めの方の問題でもたくさん×があります。
本人はちょっとミスっただけで完璧に理解しているから大丈夫だといいます。
家庭で特に何か気をつけることはありますか?」
 
(げげっ。余計なことは言わなくていいのに!都合の悪い展開になりそうだ……)
そしてしばらく母は電話口の声に耳を傾けており、通話を切って振り返るとこういいました。
「あなた。基礎力トレーニングっていう、毎日取り組む宿題があるらしいけれど、やっているのを見たことがないわ」
 
それもそのはずです。
一度も開いたこともなかったんですから(笑)
基礎トレはもうピカピカ。
新品同様の状態のはずでしたが、所在すら不明でした。
まず探し出して今日の分から始めるように言われ、その日以降は渋々ながら1日のどこかの時間でやらざるをえなくなりました。
 
その時の僕の気持はこんな感じです。
「こんなカンタンな問題、やらなくったってできるのになあ。
しかも1週間続けて同じ問題ばっかり。あぁ、面倒くさい……」
ただこの問題集には日付が入っており、いったん始めるとサボるとすぐに空白のページができます。
ですから否応なしに継続するしかありませんでした。
 
そして数ヶ月たったある日、ふっと気づいたのです。
あれ?なんか最近算数の成績がいいな。
今までとやり方は全然変わらないのに……。
どうも毎日10分くらいの基礎トレで、ミスをしなくなっているようだ、ということに。
 
今思えば、これに気づけたということがラッキーなことでした。
強制される作業的な勉強ほど苦痛なものはありません。
ですが、自分のやっていることが結果に結びつくんだということを体感できると、よしやってやろうという気持ちも生まれてきます。
工夫していたことと言えば、解答を切り取って冷蔵庫に磁石で貼っておき、カンニングの誘惑がない状態にしたことくらい。
つまらないから早くやってしまいたい、と常に急いでいることと、間違えると改めて解き直さなくてはならないため、とにかく答えをあてにいくことが習慣になってきました。
 
まとめると、「自分にとって役に立つことなんだ」ということが実感できたことで、モチベーションがあがったということになります。
そして自分自身にその気持ちがなければ、「もっと上手くできないか」「より短い時間でできないか」という工夫は生まれづらいものです。
これはほんの一例のお話です。
小学生にとって、算数の計算力の向上には毎日の練習が効果的です。
(一部に例外的な生徒もいますが、95%の生徒にはあてはまります)
そしてここが肝心。
作業的な学習としてでなく、目的意識を持って取り組むことで効果が増します。
 
まずは日々の取り組みの中で、気をつけていきましょう。
近道はありません。
テスト時間内での立ちまわりは、必要な内容を履修し終えた9月から塾の授業内で訓練していくことになります。
そこから先の入試問題に対する準備は、個人個人の戦い。
しっかりした演算能力を身に付けた受験生は、独力で試行錯誤しながら立ち向かっていけるはずです。

 
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