今年度の卒業生と数学準備講座でお話をしている時のことです。
ある少年がこんなことを言い出しました。
「先生、友達が
持ちすぎてウザいです!」
そして、何を言い出すのかと思ったら、
ユーモアを交えて、面白くお話をしてくれます。
「その子の家はリビングが2階まで
吹き抜けになっていて、解放感があるんだぁ~!!
僕の部屋よりも、物置きのほうが大きかったんだぁ~!!
お父さんは投資家らしいんですよ。
こんど、スポーツカーを売って、
もっとデカいスポーツカーを買うらしいんです!!
だから、僕も将来、
あんな豪邸に住んでみたいと思っているんです!!」
そして僕はこう答えました。
「いいじゃん!!
おおいに結構だよ。
親がお金持ちかどうかなんて、関係ないでしょ。
君がどんだけのことをやるかの方が大事だよね。
たくさん勉強しなよ!!!」
そう言うと、こんな力強い言葉が返ってきました。
「そうなんです。
東大のマテリアル工学部に行きたい。
科学者になりたいんです。
あと、ユニセフ親善大使になるのもいいと思っているんです。
人を助ける系の仕事もしてみたいんです」
「いいじゃん。
君は頭もいいし、みんなに好かれる最高の少年だよ。
がんばってね!!!」
さて、その日の授業が終わって、
最後に帰宅するときのことです。
彼がまた、こんなことを話しかけてきました。
「先生、このシャーペン、コスパ最高なんですよ。
いくらすると思います?」
そう言って、
ちょっと高級そうなシャーペンを見せてきます。
僕はその日のお話全体の流れをふまえ、
控えめに値付けをしました。
すると、衝撃的な言葉が返ってきました。
「う~ん、じゃあ500円くらいかな?」
「いいえ、
たったの2000円です」
君も十分に富豪の息子なんじゃないの?
そう思ってしまったのは、秘密です。
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