【中学受験】とっておきの開成のお話(後編)

 
前回の記事の続きです。
 

「いま開成に通っている」に驚いた理由

 
彼がさらっと口にしたこと。
開成に通っている、ということには本当に驚きました。
 
「慶應義塾高校に通っています」
「早稲田高等学院に通っています」
「浦和高校に通っています」
 
では、全然驚かなかったはずなんです。
「よく頑張ったね!!」と心から賞賛し、喜んでいたと思いますが、驚きはしません。
 
 
彼が中学受験を意識していた段階では、麻布の受験を考えている生徒でした。
 
中学受験においては、開成は算数だけでは受かるとは限りませんが、しかし少なくとも算数が抜群でないと話にならない学校です。
その点、麻布は算数が仕上がっていなくても、十分に合格が狙える学校です。
(その分、論理的な思考力・言語的な表現力は高いものを求められます)
そういう意味で、両校の求めている生徒像は気持ちがいいくらい、まったく違います。
 
 
僕のイメージで彼と開成が結びつかなかったのは、僕の中の(中学入試で)開成の求めている生徒像と彼の印象が合わないからなのだろう、と思います。
「開成よりは、断然麻布の方が向いている」という生徒だったということです。
 
 
そして、肝心なことは。
何より痛快なことは。
彼が僕が勝手に予想した成長路線を上回るような数年間を過ごし、実力をつけたということです。
 
彼の話を聞けば、
 
「国語と英語はかなりできたので、数学もなんとかなりました。
冬まで中学入試の勉強をしていたことも、やっぱり役にたったと思います。
得意科目が相当できることで余裕がありましたし、強化しないといけないところもハッキリするのがわかりました」
 
とのこと。
客観的にバランスを考えられるようになっていること、自己分析ができている話し方であることを聞いても、だからきっと受かったんだなと感じました。
 
 
彼は6年生の時点では、算数の点数を2倍にしても開成には通っていなかったはずなんです。
それが僕が知らない3年間のうちに努力し、まさに
 
 
「男子、3日会わざれば刮目して見よ」
 
 
という故事そのままのような成長をしたわけです。
 
 

子どもの成長は、大人の予想を超えるもの

 
中学入試という短いスパンでの仕事をしていると、生徒の学力の推移はある程度は予想がつきます。
仕事をする上では、「この先どうなる可能性が高いか」という経験による予想は必要です。
一方で、「きっとこうなるだろう」という悪い意味での決めつけに繋がらないようにする必要があります。
 
ですがもっと長い期間でみると、人生の航路はそんなに簡単に枠組みが決められるものではありません。
子どもの成長は大人の勝手な予想を超えたものであってほしいですし、それに驚かされるほど嬉しいことはないですね。
 
 
それからもう1点。
彼が高校生になって1年以上たち、全然何でもない時期にふらっと立ち寄ってくれたことも嬉しかったです。
彼の中では高校に合格したことはもうとっくに過去のこと、特筆すべきでもない当たり前のことになり、次の段階に目を向けていることがよくわかりました。
 
あと数年たったら、どんな若者に成長しているでしょうか。
 
‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥。
 
僕の勝手な想像よりも素晴らしい未来を、きっとつかんでいるのではないかと思います。
 
 
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2 件のコメント

  • 阿部先生 おはようございます

    そんなことないと思いますよー。
    きっと、彼の中で、言葉にならない、出来ない思いがあったか、本人も気がつかないくらいの深層の中に感謝の気持ちがあったから、忘れたころに立ち寄ってくれたのでは?と思います☆

    それにしても、ただの合格自慢?じゃないところが(十分に自慢できることではあるけれど)、カッコよすぎます!

    ぜひ、どちらでも良いので、我が子の旦那さんになってほしいです(笑)

  • >2581さん

    立ち寄ってくれたのは本当に思いつき、ちょっとした事だと思うのですが、そこで頭に浮かべてくれただけでも、十分すぎるほど嬉しかったですね。

    そういえば、彼は眉目秀麗な青年になっていました。
    まさに優良物件と言えるかもしれません(笑)

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