【再録】【中学受験】4/1は年に一度の特別な日。2023年はその秘密をこっそり明かします。

 
昨年2022年4月1日に書いたブログ記事はこちらです。
 
【中学受験】見知らぬ街に、Youtubeを観てくれる方がいた。
 
さて、2023年4月1日も新しい文章を書くつもりでした。
しかし、前日になってもアイデアが浮かばない……。
 
 
締切がくれば、アイデアは空から下りてくるものかと思いきや、
全然浮かばないのです。
 
夜中まで七転八倒し、閃きが出てこないものかと、
地面を転がりまわったのですが、ダメでした。
 
(唯一思いついたのは、今年の2月中盤戦の入試激励に関する文章だったのですが、
完成度に納得がいかず、現状お蔵入りにしています。
 
いつか上手く書きあがったら、日の目をみるかもしれません)
 
 
というわけで、今回は2021年に書いた文章をあらためて掲載する、
という形にしたいと思います。
2年前の記事なので、おそらくほとんどの読者の方は読んだことがないはずです。
 
しかし、すでに読んでいるというコアな読者の方は、ご容赦ください!
それではどうぞ!
 

きっかけは1枚のチラシでした。

 
今日は僕が体験した、すこし不思議な出来事のことを
お話しようと思います。
 
 
それは先日の夕方、いつものように授業を終え、
Wisardをあとにしようとしたときです。
 
ポストから不自然なほどはみ出た、
チラシに気がつきました。
手にとって中を開くと、
クセのある手書きの文字で、大きくこう書かれていました。
 
「南浦和から徒歩5分!
リサイクルショップ新オープン☆彡
 
チラシをお持ちの方に、
店内の商品をおひとつ、無料でプレゼント!」

 
 
その下には、これもまた雑に書かれた店の地図がありました。
目の前のコンビニを抜けた、すぐ先のようです。
そして地図の横には赤字で、「なんでも売っています」の文字。
 
 
僕は普段こういったお店には特に興味はありませんが、
この日はなぜだか、少しのぞいてみようかなという気になりました。
 
おひとつ商品をプレゼント、と書いてあることだし、
面白そうな本でもあったらもらってこよう。
そう考えた僕はチラシを手に、
そのお店へと向かいました。
 

向かった先に会ったお店は……

 
地図に書かれているとおり公園のところを曲がると、
インスタで話題のカフェの隣に、
赤い暖簾のかかった小さいお店を見つけました。
 
店の入り口に無造作におかれたカゴに、
お皿やらぬいぐるみが、
値段のついたシールを貼られて、乱雑につめこまれています。
 
新オープンとはウソのように、
年季のはいったお店に不安を感じます。
 
 
薄汚れたガラス戸をあけて中へ入ると、
狭い店内には所狭しとたくさんの物がならんでいて、
今にも崩れてきそうです。
 
家具にバッグ、洋服は棚からはみ出す勢いで山のように積み重なり、
頭上にはアンティークな照明や、
シャンデリアがぶらさがっています。
 

お店で待っていたのは……

 
僕のほかにお客さんはおらず、店主の姿も見あたりません。
古本を見てみようとお店の奥までくると、
縦に2つならんだ本棚のさらに奥に、
小さめの黒い棚が置いてありました。
 
「なにか、お気に召すものはありましたか」
 
突然後ろから声がして驚いて振り向くと、
大きくふくよかな体つきの女性が、
ひっそりと立っていました。
 
古銭柄の赤紫色の着物を着ていて、
真っ赤な口紅が印象的です。
どこかで会ったことがあるような…………。
 
しかし、無理に思い出そうとすると、
頭がズキリと痛み、
それ以上は考えられそうにありませんでした。
 

 

商品の棚に並んでいたのは……

 
会釈をして、もう一度その黒い棚を振り返ると、
僕はえっ、と声を上げそうになりました。
 
そこには「絵の才能」というラベルが貼られたビンが並んでいました。
 
隣には
 
「統率力」
 
「協調性」
 
「文才」……。
 
驚いている僕に、店主はこう続けました。
 
 
「この棚には、私が今まで買い取ってきた、
「人間の長所」がおいてあります。
 
普段なら、買いたいとおっしゃる人の「長所」と交換でお渡しする物ですが、
今日はオープン記念なので、
サービスでなんでも1つ、さしあげましょう」
 
「…………。
 
それは面白いですね」
 

僕が選んだビンに入っていたもの

 
僕は冗談半分に彼女の話を聞きながら、
せっかくだからこの中から一つ、もらっていこうと思いました。
そうして棚に並ぶビンを見ていくと、
1つのビンに目が吸いよせられました。
 
「あきらめない心」
 
と書かれたビンです。
 
これはよいな、と僕は思いました。
生徒たちにはこの力こそ、必要なのです。
 
 
あきらめない心は勉強するうえで、重要な力の一つです。
そして、生きていくうえでも。
この心をずっと持ち続けることは、
大人にとっても、とても難しいことです。
 
「まあ、これくらいよしとしよう」
「今回はこれで妥協しよう」
 
という進みやすい道はいつも用意されているものです。
 
 
それでも、
 
「簡単にはあきらめない」
「これは絶対にやり遂げる」
 
という気持ちを持ち続けることで、
大きなことを成し遂げることができます。
 
 
小学生は「制限時間内はあきらめない」という訓練をすることで、
「あきらめない心」を獲得しようとしているのです。
 
学習塾では算数や国語を通して、
「考える」「検証する」「実行する」「人に伝える」力を、
伸ばそうとしています。
 
これはいわばテクニックで、
訓練によって必ず少しずつ伸びていきます。
 
 
一方、その力を活かすためには、
エンジンとなる「あきらめない心」が必要なのです。
せっかく力をつけても、方向性を定める心がなくてはいけません。
 
何事も始まりが肝心です。
僕はこれを、新学期にふさわしい、
「スタートの力」として選ぼうと決めました。
 
 
「これをいただきたいです」
 
ビンを持ってみるとなかなか重たく、
綺麗なエメラルド色の液体が、
ビンの半分くらいまで入っています。
 
「これはこれは、お目が高いですね。
 
直接飲むのが一番効果がありますが、
スプレーとしてまけば、
その空間全体に効果がありますよ」
 
彼女はニコリと笑って、言いました。
 
「あきらめない心の効果は、私が保証します」
 

教室に帰ってから…………

 
さてそうして僕は、その店で不思議な力をもらって、
帰路に着きました。
まちがいなくポケットに入れたはずのチラシは、
家に着くと消えてしまい、どうしても見つかりませんでした。
 
この分だともうあのお店はないのかもしれませんね。
あわててカバンに入れたビンを確認すると……
「あきらめない心」はちゃんとあります。
 
 
本当に不思議な出来事に久しぶりにワクワクした気持ちで眠り、
翌朝は少し早めに家を出ました。
生徒が来る前に、Wisard全体にシュッシュッと、
「あきらめない心」をふりまいておきます。
 
少しミントのような、
すっきりした香りが、うっすらと教室を覆いました。
 
さあ、授業がはじまりました。
あの不思議なお店の不思議な商品には、
どのくらいの効果があるんでしょうか。
 

いかがだったでしょうか?

 
どうだったでしょうか。
僕の不思議な体験談。
 
ぜひ生徒たちには、
あのお店で長所として「あきらめない心」を交換できるほどの、
自分だけの強さを養っていってほしいと思います。
 
なにかに執着し、その場に踏みとどまって戦う力が、人生には必要なのです。
 
 
このお話がウソにならないように、
春期講習の後半戦も、頑張っていきましょう!!
 
 
【中学受験】With the kids sing out the future. Maybe kids don’t need the masters.
 
【中学受験】The greatest pleasure in life is doing what people say you cannot do.
 
 
 
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3 件のコメント

  • 楽しみにしてたのに知っているお話で悲しいです…

  • >ボーズのお姉ちゃんさん
    コアな読者がここにいましたか…………。
    ボツ原稿は、そのうち更新記事として使う…………かもしれません。
    スパイファミリーを読んでおいてください(笑)

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