「まずは」自分で考えることの大切さ

今回は「習うこと」と「自分の力でだけでやりきること」について書きます。
大切なのはバランスです。
 
興味のある面白い問題に向き合わせることが大切で、教える必要はなく、時間をかけても自分で考えることで子供は伸びる、という意見もあります。
これは少し極端かな、と感じます。
ずば抜けた能力の子供であれば、それが可能なケースも中にはあるでしょうが、普通は無理ですよね。
 
例えば、僕が中高6年の数学で一番衝撃的だったのは、積分を学んだ時でした。
この体系を考えた人は本当にすごいなと、心から驚き、半ば呆れました。
僕に永遠の生命があったとしても、あれを考えるのは絶対に無理です。
先人たちが培ってきた知恵は偉大ですね。
(まあこれは算数ではなく、数学のお話ですけれど)
 
 
では、どんどん習って練習し、身につけていこう!ということになるわけですが、習いっぱなしの教わるだけもよくありません。
 
例をあげます。
 
「例題:150円の品物と80円の品物を合わせて20個買い、2650円払いました。
150円の品物はいくつ買いましたか」

 
これは典型的なつるかめ算の問題ですが、よく見ると適当に個数を当てはめていけば、解答に至ることがわかります。
 
生徒たちの口から、こんな言葉を聞けることもあります。
「適当に入れてみたら、2回目でできた!」
「表を書いてみたら、なんだか合計額が70円ずつずれていくから、その規則で答えを見つけた!」
「150円だと、〜50円と〜100円しかできないから、80円の品物をとりあえず〜00円にしてみたら、たまたま一発だった!」
「とりあえず安物を20個買いまくって、そこから贅沢をしていくって考えました!」
「自分は高級品で揃えてから、ちょっとずつ貧乏になっていく方向でいきました!」
 
うーん、惚れ惚れするセリフたちですね。
そうなんです。
この問題のケースでは、一番最初はちょっと粘ってほしいところなんです。
考えてみると先生という職業は、答えを言うのが仕事、みたいなもの。
ですが、肝心なのは「いつ言うか」ということなんでしょう。
そしてその粘りを引き出せるように、表を使ったり誘導の設問を使ったりします。
まずは自力で解答にたどり着いたその後で、仮定したり、面積図を書いたり、連立方程式もどきで解いたりする方法を学んだ方が、グッと理解を深めることができます。
 
いきなり、
「今日はこの問題を解きます。
このタイプの問題はこうやって解いてください。では練習しましょう」
よりもベターであることが感じられないでしょうか。
 
 
そして自力で試行錯誤していく方法の利点は、自分で自分の出した結論を検証するクセがつくことです。
考えてみれば、一定水準以上の入試問題では、問題を読んだ瞬間に解答への筋道が見えることは稀です。
あったとしても、それは「全受験生が正解しなければならない問題」であって、多くの場合はそこでミスする生徒は門前払いになるだけのこと。
まず、いくつかのアプローチを試し、見込みのある道を見つけてまずは突っ走ってみることになるのではないでしょうか。
ダメだったら、また別の手法を試してみればいいんです。
 
そのためには「定石的な解法を学びながら、試行していく姿勢も身につけていく」学習方法が有効なことが、おぼろげながらお分りいただけるでしょうか。
そのアプローチを積み重ねた生徒は、算数の問題にワクワクできます。
そうしたら、算数は最高に面白い科目になります。
 
5年生半ばまでは特に、多くの問題のパターンに当たらなくても構いません。
問題に向き合った時に、武器になる考え方を1つ1つ身につけていくことが最も大切なことだと思っています。
 
 
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3 件のコメント

  • いつも楽しく読ませてもらっています。
    つるかめ算の問題ですが、150円と80円の商品を比較されるなら、120円ではなく、150円の商品は?の問いになりませんか。

  • >しろしろくんさん
    コメントありがとうございます。
    本当ですね(笑)直しておきました。
    解答不能の問題を出してしまって、お恥ずかしい限りです‥‥!!

  • 早速になおしてもらってありがとうございます。
    おかげさまでスッキリとけました!
    今後もブログ楽しみにしてます。

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