つい今月の入試で送り出した受験生のエピソードを1本。
2024年の2月入試まで、いよいよあと1週間となった、
1月の授業でのことです。
ある6年生の男の子が授業の際、
受験した学校の入試問題を質問として持ってきました。
少し脱線しますが、
僕は算数の先生として、
もう終わった試験問題を振り返る必要はない、
という考え方です。
同じように、連日続く入試の最中に、
解答速報の類も見ないほうがよいと思っています。
ですから、そういったときは、
「もう終わった入試問題のことなんて気にするな!
質問して解決するのは、
どうしても気になっている場合だけにしよう!」
と答える場合がほとんどです。
ただ、その子は非常に算数の力がある少年で、
どうしてもわからなくて気になったから、
ということだったので、「彼が聞きたいなら……」ということで、解説しました。
その平面図形の問題は(1)から(3)まであったのですが、
(1)から手がつかないタイプの問題でした。
中学入試算数の入試問題においては、
(1)は絶対に正解しろ!
が鉄則です。
後半は難度の高い展開になる問題も、
(1)はダントツにイージーであることがほとんどだからです。
したがって、訓練された受験生は(1)を得点する大事さを知っています。
だからこそ、(1)に手がつかなかった場合は、焦ります。
その受験生の焦り、想像できるでしょうか?
さて、2分ほど?の長い解説をして、
ようやく(1)の答えが出てきました。
長さを求める問題で、答えは1/2㎝というシンプルな数字でした。
その時のことが、強く印象に残りました。
その子は、
「やった!カンで書いた答えがあってた!
これなら(2)も合ってる!!」
と、すごくホッとした表情をしました。
1年間一緒に勉強してきたのに見たことのないような、
安堵の表情
です。
正解した嬉しい!という表情はたくさん見てきましたが、
それとは少し、でも明確に違いました。
それを見たとき、
ああ、この子も戦っているなあ、
1人前の受験生になったんだな、と実感しました。
本気で真剣に取り組んでいる人の表情だな、と思いました。
その子はその1月校はカンが当たってもなお、不合格だったのですが、
しっかり2月1日は合格をとってきました。
結果はよかったのですが、
合格とか不合格とかは関係なく、死力を尽くして戦った経験は、
きっと彼の中にしっかりと残っているだろうな、と思っています。
↓読者の方のクリックで、このブログの価値が決まります。
ワオ!!カッコいいエピソードじゃないか!! と思ってくださった方はクリックをお願いします。
クリックはそれぞれ1日1回まで有効です。
にほんブログ村
中学校受験ランキング
コメントを残す