Wisardと挑んだ渋幕への道〜大手塾なし・親塾なしでの挑戦〜

Iさんのお母さん(2018年度/渋谷幕張中 進学)

阿部先生、畠中先生 大変お世話になりました。ありがとうございました。
これから受験を迎える方々に少しでもお役に立つことができればと思い、Wisard+家庭学習で挑んだ我が家の受験について書いてみようと思います。
まず強調したいのは、「大手塾なし・親塾なしの受験は甘くない」ということです。
同時に「大手塾ありでの受験も甘くない」と思います。
子どもと一緒に中学受験に挑むことはどんな方法であれ、親に相当の覚悟が必要なのだと感じました。

娘は「習い事を続けたい」という理由で大手塾に通わず、自宅学習での受験を選択しました。
4年生の1年間は予習シリーズを読む→演習問題集を解く→週テストを受けるという学習をしました。
冬頃から週テストの算数は偏差値40台前半となり、5年カリキュラムに入ったところで娘が「算数は(独学では)限界」と言いました。
そこで週1回の通塾で、家庭学習中心の生活を続けることができるWisardに5年生の春休みから通い始めました。
阿部先生は娘に、
「よくここまで自力でがんばってきたね。
独学ができることは素晴らしい才能だから、今後もこのやり方を続けていこう」
と声をかけてくれ、それまでの学習法を生かす形で進めてくださいました。
Wisardの授業で単元概念を理解した後に自宅で演習問題を解き、週テストを受けるというサイクルに変わったことで、学習の進度と理解度が格段に上がりました。
Wisard入室2ヶ月後のサピックスオープンで算数の偏差値が58に上がり、「やればできるんだ」「算数って面白い」と娘の表情が明るくなりました。
そして、通塾半年後の9月のサピックスオープンでは、偏差値65を超え算数が得意科目になりました。

6年生はWisardカリキュラムでの学習となりました。
阿部先生から「受験学年は志望校を意識した学習が必要です。
優秀なライバルの存在を知ることで娘さんは更なる高みにのぼることができます」とアドバイスをいただき、SAPIXのGS特訓に参加しました。
とても良い刺激になりました。
算数が好転した一方でおざなりだった社会は、深海に沈んだままでした。
阿部先生にご相談して、夏休みは社会と理科を優先することにしました。
算数と国語の学習はWisardの授業(夏期講習)のみとし、自宅では社会と理科の学習をしました。
臨機応変にカリキュラムを修正し、学習時間を苦手科目に傾斜配分できたことはWisardの利点だったと思います。
この学習が功を奏し、夏休み明けのサピックスオープンで苦手な社会も平均点を超えることができました。

いよいよ9月から、Wisardの授業も志望校別の黒板授業になりました。
集団授業の経験が少なかった娘にとって、この黒板授業(同じ問題を優秀なお子さんと競い合うこと)はとても新鮮で楽しかったようです。
第1志望校が決まったところで合格への作戦を練りました。
「安定している国語と理科は合格者平均点以上をキープし、苦手な社会を合格者平均点付近まで上げて、得意の算数で合格ラインを大きく超える」という戦術を立てました。
「9月以降は自分の立ち位置をリアルタイムで把握しながら進めるのが良い」との阿部先生のアドバイスに従い、志望校別講座(SS)を受講しました。
10月に社会が目標偏差値を超えたのでそれ以降は算数の家庭学習の封印を解き本番まで鍛えていただきました。

渋幕の入試を1ヶ月後に控えた12月、受験校を決める時期が来ました。
前受け校として、最難関の西大和学園(東京)を受験するか迷いました。
受験者層が渋幕の合格圏と重なること、得点開示があり本命校までの直前期の学習に生かせるというメリットがある反面、不合格だった時の精神的ダメージを渋幕までの2週間で立て直せるかという問題がありました。
阿部先生が「恐れることはありません。どの学校の門戸も開かれています」と背中を押してくださいました。
西大和学園の合格で勢いをつけた娘は、最高の状態で渋幕に臨むことができました。
そして掲げた必勝パターン通りに得点し、第一志望校から合格をいただきました。

娘の受験から私が学んだことは「適切な実力を持ち、かつ信頼できる指導者のサポートがあれば、大手塾・親塾がなくても第一志望校に合格できる」ということでした。
ただこれは「通塾日数の少ない小規模教室と家庭学習のみで簡単にどの学校でも合格できる」という意味ではありません。
大手塾のカリキュラムに乗って、優秀なお子さんと切磋琢磨しながら危なげなく合格するのもいいと思います。
娘の場合もWisardの適切な教材で家庭学習をしながら、適宜(阿部先生のご提案により)GS特訓やSS特訓を受講し、孤独な環境に「競争の要素」を取り入れることによって学習意欲を維持できました。
また大手塾のテスト(四谷大塚の週テスト、サピックスオープン)で立ち位置を把握してその後の学習計画を立てたことも勝因の一つだと思います。
どのタイミングでどのテストや講座を受けるかはすべて阿部先生が考えてくださいました。
我が家の受験にプロの存在は必須だったと思います。

Wisardに最も感謝していることは、親のサポートも全力でしてくださったことです。
「孤独な戦い」に心が折れそうな時が何度もありました。
周りに同じようなことをしている人はおらず、家庭学習中心での受験についての情報もほぼ皆無という中で、本当に最適解を選べているのか、このままでいいのか常に不安でした。
そのような時にご相談すると阿部先生は決まって「このままで大丈夫です。お子さんはよく頑張っています。学習のことは我々に任せて、お子さんが気持ちよく勉強できる環境作りに専念してください」とおっしゃいました。
その言葉がどれほど心強かったことか。阿部先生の励ましがあったからこそ最後まで頑張ることができたと言っても過言ではありません。

「阿部先生のお蔭で算数が得意になった。阿部先生は算数の恩人」とよく娘が言っていました。
そして受験を終えた今は「Wisardと出会えたから第一志望校に合格できた」と言っています。
娘は受験直前も休まずに習い事を続けました。
自分で決めた家庭学習の道を貫き自らの手で合格をつかんだ娘を誇りに思います。
Wisardの先生方、そしてクラスメイトのみなさん、本当にありがとうございました。
大手塾への通塾は難しいけれど、本気で第一志望校への合格を目指したい、という親子の元にこのメッセージが届くことを祈っています。
子どものやる気と親の覚悟があれば、Wisardとならどの学校へも行けると思います。

Wisardよりメッセージ

進学おめでとうございます。

ご家庭が向き合った一番の困難は、「誰も通ったことのないルートを通って合格を目指した」ところにあります。
ほとんどの場合、中学受験への準備は他のライバルたちと似たようなアプローチになります。
しかしお子さんの場合は、距離の面からコンスタントな通塾が難しく、さらに受験勉強以外の生活も大切にしたいというご方針でした。
そのため、最小限の通塾と家庭学習で受験を目指されました。
「本当にこのままでいいのだろうか」という疑問をずっとお持ちだったのは当然です。

しかし、再三申し上げていたことですが、我々は一度も不安を感じたことはありません。
むしろ、今年度の卒業生の中で、最も心配していなかった生徒だとさえ言えます。
お子さんはそれほどの力を持っています。
「大手塾なし」「親塾なし」という論点が、まるで問題にならないほどの強力な力です。
そして「合格を目指す」ことよりも、「目の前にあることを学ぶ」「楽しんで勉強する」ことの積み重ねで、知らぬ間に十分な力をつけていました。
第一志望校の合格をもらった後、まるで嬉しそうではない彼女を見て、なるほどなと感じたものです。
もちろん、希望していた学校に通えることは人生の大きな分岐点だったはずですが、ひとたび通過してしまえばもう関心は全くなくなるんだなと思ったからです。

それから、ご家庭もWisardにアドバイスを求めてくださり、それを信頼して迷わない、強力な決断力をお持ちでした。
よくお育てになっていると思います。
最後に。
数ある学習塾の中から、よくぞWisardを選んでくださいました。
お力になれたことを、我々も誇りに思っています。

阿部

2018年