筆算を忘れた少年と、筆算を忘れていない少年。

前回の続きです。
 
「ひ、筆算を忘れた??‥‥ほんとに?」
 
彼は非常に高い計算力を持っている少年。
確かにほとんどの計算を暗算でしています。
ただ、考えを積み重ねる問題ではメモを取るようになってきて、いい方向に向かっていると見ていました。
その中で、純粋な計算については少し異なる方向に進歩しているんですね。
分数を駆使して上手に計算しているのですが、普通の生徒が筆算でするしかない○ケタ×○ケタのような計算はひたすら暗算していたようです。
滅多にミスしないため、なかなか気づきませんでした。
そろばん経験者によくある頭の使い方と言えます。
 
「筆算って、ほら、こういうやつだよ。
絶対にミスしたくない場面では、使っていってもいいかもね」
 
「あぁー、それですか。
思い出しました。
わかりました。たまには使います!!」
 
 
しかし、筆算を忘れたっていうのはなかなか格好いいセリフだなあと思っていました。
算数の先生の多くは、計算を簡略化するテクニックを多く知っていて使っているため、計算は速そうに見えるものです。
ですが、それは純粋に計算が速いわけではなく、実はテクニシャンというだけ。
僕の場合、123×23くらいならなんとかできますが、123×234となると厳しいレベル。
純粋な計算力では、そろばんの有段者には勝てないですね。
 
もちろん、計算が速い/暗算ができる、ことは算数の能力の一部で、ほんのささいなことなんです。
でも、高い演算能力があるのに、「筆算を忘れた」って、なんだか格好良くないですか?
君、いいね!!という感覚があります。
 
 
さて、お話はこれで終わりではありません。
「頭がいいことは格好いいことだよ!」ということは常々伝えたいと思っているので、6年生のクラスで、このことを話しました。
受験が近くなってきたこともあり、生徒たちは神妙な表情で聞いています。
全くウケていません。
いまいち、共感を得られなかったかなあと思って、お話を終えたときのこと。
 
ある少年が、すっと手を挙げました。
 
「あの先生。
筆算ってなんでしたっけ?
僕も忘れてしまいました」
 
一瞬の静寂のあと、教室は大爆笑。
こんなユーモアも、同じくらい素晴らしいと思います。
 
 
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