【中学受験】「そんな解き方はやめなさい!もっとちゃんと解きなさい!」と言われた開成受験生のお話(前編)

 
この2本の更新を先に読んでいただくと、
お話がつながりやすくなります。
 
【中学受験】算数と数学の違いを、最高にわかりやすく一言で表すと。
 
【中学受験】算数は答えがあっていればいい→それが学習法にどうつながるか。
 
 

開成を目指す少年

 
数年前、Wisardに通っていた少年のお話です。
 
彼は○○○○(大手塾名です。漢字を入れてお読みください。
特定できないよう、文字数は秘密です)
に通っていた生徒で、
開成中を目指しており、
算数の強化のため、単科でWisardの授業を受講していました。
 
 
いつも真剣に取り組む、生真面目な少年でした。
 
国理社はほぼ万全だったので、
算数が自信を持てるレベルになれば、
きちんと合格するだろうと思えるような、実力者でした。
 
(そう思える生徒全員が合格するわけではない、
というのが開成のほんとうに難しいところです)
 
 

9月からの志望校別特訓を受ける中で…………。

 
さて、9月から日曜日の志望校別の特訓授業も始まり、
しばらくしてからのことです。
 
たまたまお迎えにいらっしゃったお母さんと立ち話になった時に、
すこし驚くようなお話を伺いました。
 
 
「日曜特訓の算数の先生に、
うちの子はすごくダメ出しされるんです」
 
「ダメ出し?
なにがダメなんですか?
お子さんはよくやっていますし、
ちゃんと伸びていると思いますよ」
 
 
「開成クラスは5人くらいなんですけれど、
おまえの解き方は全然ダメだ!って、いつも言われるんです」
 
「???どういうことですか?
話がまだ、見えてこないんですが……」
 
 

先生からのダメ出し

 
詳しく聞いてみると、本人曰く、このようなお話でした。
 
「6人くらいしか生徒がいないので、
先生が解き方もよく見てくれるんです。
 
「いつも、なんでもかんでも書き出すのはダメ、
答えをあてはめるのもやめろ。
ちゃんとした解き方で解きなさい」
 
って言われて。
 
 
ほら、○○くんや○○くんはこんなに、
しっかりした解き方で解いているぞ。
 
またお前は
書き出しているのか

 
ってすごく笑われるんです。
 
イヤ~な感じで」
 
 

そのアドバイスをふまえて……………。

 
僕はそれを聞き、
 
「ふ~ん。
そうなのかなあ???」

 
と少しだけ思いましたが…………。
 
僕はその子のやり方をフォローして、
その先生の授業も活かしていけるようにお話をしました。
 
 
「なんで?
君はちゃんとやっているじゃん。
 
「ちゃんとした解き方」が特に大切な、平面・立体図形は特訓しているし。
解答を探し出すパワーがあるのは、むしろ長所だよ。
 
君なりの解法を上手く使いこなせていて、
バランスもうまくとれてきて、仕上がってきている。
全然問題ないから、自信を持っていいと思うよ。
 
それにプラスして、その先生の解法もしっかり吸収すれば、
もっとよくなるでしょう!!」
 
 
僕は心の底から、今のままで大丈夫だと思っていました。
 
彼も胸の内では、自分の解法が頭ごなしに否定されたことには
反発していたはずですし、
なんとか納得するような形になりました。
 
 

算数においては、自己流OK!!!!!!

 
算数という科目は自由な科目で、
特に一定水準以上の力を持つ生徒については、
その子なりの解き方を尊重する方がよいと考えており、
それに沿ってお話をしました。
 
よく「自己流は事故流」なんて言いますけれど、
算数においては、自己流で全然OKなんです。
 
答えがあっていれば、なんだっていいんです。
 
 
もちろん、他人の話に耳を貸さないのはいけませんが、
問題の設定を把握したうえで、
自分なりにがむしゃらに正解に迫っていく力が、
特に難関校の入試問題では大切なんです。
 
さて。
というわけで、次回に続きます。
 
 
 
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