今年もクリスマスの季節がやってきました。
きらびやかなイルミネーションやクリスマスツリー。
そして楽しげなクリスマスの音楽が、街を彩っています。
年末に向かってだんだん浮き足だっていくような、
この時期ならではの、あたたかい雰囲気が好きな方は多いでしょうね。
コロナウィルスの蔓延で、
外出もままならなかった時期があっただけに、
その気持ちは増しているように思います
さて昨日、2023年の12月23日は、
夜に5年に一度の大事な会議がひかえている日でした。
僕は変に緊張していて
授業の終盤はそれを生徒に悟られないように意識していました。
残って勉強していた生徒がみな帰宅すると、時刻は23時。
会議まではあと1時間です。
僕は1人だけになった教室でふう、と息を吐き、
それから入り口のドアの鍵をしっかり閉めました。
これからやってくる先輩たちには、ドアは必要ないからです。
それから生徒たちが勉強したあとの机を綺麗にふき、
外から見えないように窓ガラスにカーテンをひきました。
そうこうしていると、あっという間に10分前になりました。
僕は最近5年の履歴と街の地図、
子ども達の情報やお店などの資料をそろえて机の上に並べました。
3分前。
ネクタイを締め直し、現れる先輩たちを待ちます。
秒針が23時を知らせるちょうどそのとき、
Wisardの入り口がまあるく白く光りはじめ、
その光が周りが見えなくなるほど強く大きくなってきました。
彼らはその光の中から、現れるのです。
白い光の中から続々と、赤い衣装を身にまとった先輩たちが教室に降り立ち、
そうして5人の○○○たちがみな現れると、
光はだんだん弱まり、そして扉に吸い込まれるようになくなりました。
「やあアベくん、久しぶりだね」
久しぶりに面と向かって会うと、
畏れを感じさせる一方で、
親愛さも感じるあたたかい空気を全員がまとっています。
みな僕よりはるかに背が高く、
顔には深い彫りが刻まれ、
絵本で見るのと同じ立派なひげをたくわえています。
「今年も場所を貸してくれてありがとう。
この教室はやはり落ち着くね。
子ども達がよい気持ちでここに通っているから、
こんなにあたたかくて、研ぎ澄まされた空気になるんだろうね」
「確かに、そうですね。
子どもたちのエネルギーは、
この教室には残っていると思います」
いちばんの年長○○○はそう言って優しい顔で笑い、
席に腰かけました。
他の先輩たちも好き好きにまるくなって席に座り、
どこからか取り出した湯気の立つマグカップをすすりはじめます。
「さてさっそくだが、会議を始めよう。
まずは最近の子ども達の流行りについてだが、この5年で……」
そうお話が始まった瞬間のことです。
コンコン。
教室の扉をノックする音がしました。
「先生、もう帰っちゃいましたか?
忘れ物をしちゃって!」
あっ、と僕は声をあげました。
先ほど、いちばん遅くまで教室に残っていた少年の声でした。
思いもかけないタイミングです。
僕がエントランスに向かい、
「どうしたの?こんな時間に?」と声をかけると、
後ろから「寒いから、まず中に入れてあげなさい」の声。
教室に入ってテーブルに座る5人を見た少年の表情は、
みるみる驚愕から興奮へと変わっていきました。
「先生、ブログに書いていたのはジョークだと思っていたけれど、
本当だったんだね!
1mmも信じなくて、ごめんなさい!
どうしたら、僕も仲間に入れますか?」
そう尋ねると、口を開こうとする僕の代わりに、
5人が口々に答えてくれました。
「人になにかを与えられるようになるには、
子どものうちにたくさん思い出を作ることが、大切だよ」
「幼いころに信じていたことを忘れないことも、いいことだ」
「子どもの頃から憧れてたものになれなかったら、
大人のフリをしないことだよ」
「まだ君はたくさんのものを受け取る年齢だ。
成長して力をつけることができれば、
多くのものを分け与えられるようになる」
「そのために、この教室にも通っているんだろう?
いまの志を忘れなかったなら、いつか私たちが君のうちをを訪れることにするよ」
そう言われると、彼は納得したような表情で、
教室に忘れていた四科のまとめとメモリーチェックとコアプラスを携えて、
帰っていきました。
彼が教室を出ると、
僕は確認のため、質問をしました。
「やはり、あの魔法をかけたんですよね?」
「それはそうさ。あの子には申し訳ないけれど、
彼のここでの記憶はなくなるようにはした。
ただ、強く信じる子どもには、
その魔法がきちんとかからない。
幼いころの君のようにね」
「そうですね、それでは期待しておくことにしましょう」
「では会議を再開することにしようか」
不思議な夜だったなあ、と思います。
このお話はほんとうは書いてはいけない秘密なのですが……、
もうまたとない機会だと思って、記事にしてしまいました。
それでは冬期講習も真っ只中ですから、このあたりで。
メリークリスマス!!
【過去の記事一覧です】
【2018年】
【中学受験】12/24は年に一度の特別な日。その秘密をこっそり明かします。
【2020年】
【中学受験】12/24は年に一度の特別な日。2020年もその秘密をこっそり明かします。
【2021年】
【中学受験】12/24は年に一度の特別な日。2021年もその秘密をこっそり明かします。
【2022年】
【中学受験】算数講師が今こそ語る、クリスマスの真実 エピソード0
※今回は、ほんとうに最終回です!
もう来年は書くことがありません!
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阿部先生 こんばんは!
今年はもうアレかと思いまして、いま確認?させていただきました。。。
(なんか、申し訳ございません)
だんだん、いい感じのひらきなおり感がいいですね!
もう、これは、このまま書籍化まで行っちゃいましょうか?
それとも、変に悪化させないほうがいいですかね?笑
今年もお疲れさまでした。
ゆっくり寝てくださいね!
この話が真実を確かめる方法を思いつきました。コアプラスなので5年生か6年生。この後2年の体験記にそのブログがあるかを見ればいいわけです!