【中学受験】算数では、スピードは重視しなくていい。

 

スピードがある生徒=優秀な生徒 ではない。

 
「うちの子は計算スピードが遅い」
「そのせいで、苦手意識がついてしまっている」
 
というご相談を受けることは少なくありません。
確かに、小学校で計算が速いことは称賛の対象になることも多いでしょうし、カッコよく見えるはずです。
また、それに全然かなわないとすると、自分はできないのかな?という形で自信が持てなくなることもあるのでしょう。
また、テストで時間が足りず、後半の問題に手をつけられなかった、という形で表れることも多いはずです。
 
そうなると、もっと計算を早くして、短時間で多くの問題を解かなくてはならない、ということになるのですが、
 
算数の学習では、
速く解くことを意識する必要はありません。

 
 

なぜ、速くなくてもいいのか。

 
もう少し補って説明すると、算数は基本的に時間が足りない科目なので、スピードはゆっくりよりは速い方がいいに決まっています。
ですが、それを学習の目的として意識しなくてもいい、ということです。
 
それはスピードよりも大切なものがあるから。
つまり、算数は「じっくり考える力を伸ばす科目」であるため、それを学ぶ時は考えることに集中した方がよいからです。
深く考える時間を長くとった結果、経験値が蓄積されてスピードは自然に速くなっていきます。
スピードを意識すると、本来の目的である考えるという部分がおざなりになってしまう場合があり、それがとてももったいない事なのです。
 
そんなに急がなくても、しっかり考える時間をとり、適切な志望校を選べば合格に必要な得点をとることは十分にできます。
しかも、より確実に。
 
 

「解く」とはどういうことか。

 
算数は一度答えを出してからが勝負、いったん答えを出しただけでは問題を解いたことになりません。
それを検証して、「これは絶対に正解だ!!」と確信を持って初めてその問題を征服したことになり、確実な得点に結びつき、それが合格につながります。
逆に急いで出した適当な答えは、それがたまたま正解だったりたまたま不正解だったりするわけですが、何の価値もないどころか、むしろ有害でさえあります。
急がなくてもいいから、自分の答えに責任を持つことがとても大切です。
 
ですから重視すべきなのは、
 
スピードよりは正答率
 
なのです。
そして必要なだけのスピードは、じっくり考える経験を積むにつれて、ついてきます。
 
 

どうやってその方向にもっていくのか。

 
カンタンです。
周囲が「もっと速く解きなさい!」と命じるのをやめればよいのです。
 
テストの時の時間配分は、放っておいてもお子さんなりに工夫し、戦います。
ですから、時間配分についても放っておきましょう。
 
家庭学習においても、一行問題のリピートから新たに学ぶ単元の学習まで、全てにおいて、急かすことをやめてみましょう。
その代わり、自信のある答えを出すようにしようというメッセージを明確に伝えましょう。
 
ただし、時間は無限にあるわけではないので、ある程度の区切りが必要です。
どうしてもわからないものは1問10分を超えたら日を改め、それでも分からない問題を何とかして解きほぐしたい場合は先生に質問しましょう。
 
 

速い→遅い

 
具体的な例を挙げてみます。
中には教室に入室した段階で、すでに尋常でないスピードを持っている生徒がいます。
ほとんどは公文か珠算の経験者です。
その生徒たちは気持ちがいいほど、速いです。
もう、ペンを走らせるスピードからして違いますし、「こりゃ、とてもかなわない」と感心するほどです。
 
ですが、そういった子が例えばWisardで1年間勉強すると、スピードは明らかに遅くなります。
「遅く」なるというと言葉が悪いとしたら、「ゆっくり解くように」なります。
そんなに急がずに、細かくステップを踏んで戻りながら進むように方向づけているからです。
本人たちも、50分のテストを30分で終わらせても意味がないということがわかってきますから、自然とその形がしっくりくるようになるのです。
 
 

遅い→速い

 
逆の例も。
正答率は非常に高いものの、とにかく解答用紙がうまらないという生徒もいます。
こういう生徒は算数に限らず、全教科で同じ状況になっていることも少なくありません。
そういう子も、ほとんどの場合は決して急がせません。
きちんとした教材が目の前にあり、お子さんに取り組む気持ちがあれば、大丈夫です。
「簡単な問題からやったほうがいいよ」ということも、できるだけ言いません。
自分で工夫したアプローチの方が、本人の実力として残るからです。
 
そして、高い正答率を評価し、いまのやり方でまちがっていないというメッセージを送ります。
いよいよもって間に合わないと判断し、志望校の問題傾向に応じて作戦を考えることもありますが、ほとんどの場合は、きちんと間に合います。
 
「本番で時間が足りず、後半が白紙の答案を提出して不合格になった」という生徒をここ何年も見たことがありません。
「最後まできちんと解いたのに、どうしてダメだったのか自分でもわからない」という生徒の方がずっと多いです。

 
全ての解答欄を埋めることよりも、自信の持てる解答を提出することの方が、ずっと大切なんです。
 
 

まとめ

 
お子さんのブラインドタッチがものすごく速いとしたら、と想像してください。
きっと見た目はものすごく「デキるやつ」に見えるはずです。
 
ですが、本当に大切なのは、ブラインドタッチ練習ソフトでハイスコアを残すことではなく、書いているテキストの内容そのものですよね?
 
中身を大切に。
一生懸命に伝えたい内容を考え、それをパソコンに打ちこみ、それを発信し、フィードバックを受け、また一生懸命考える。
そうすれば、ブラインドタッチは自然にできるようになっているはずです!!
 
 
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2 件のコメント

  • 阿部先生 おはようございます

    今回も、そうだよね!そういうことだよね!いいんだよね!
    と頷きながら読ませていただきました。

    いよいよ間に合わないかも?っていうところまでは(要確認の上)、娘のペースに任せたいと思います。

    いつもありがとうございます。

  • >2581さん

    考えれば考えるほど、頭は良くなりますから、お子さんが問題に対して粘る姿勢を持っていることは、間違いなくとてもいいことです。
    ただ、単元知識がなければどうしようもないケースで考え込んでいるケースもあるので、本当に頭を使えているかどうかの見極めはご家庭ではかなり難しいはずです。
    特に6年生は入試という制限時間がある状態で頑張っていますので、うまくバランスを取れるように見守ってあげてくださいね。

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