受験はたこ焼きとともに

Sくん(2020年度/海城中 進学)

合格体験記。
受験が終わったなんて、まだ実感が湧きません。
でも、学校から急いで帰ってきたのに、SAPIXにもWisardにも行かなくていいんだと気づくと、本当に受験が終わったのだと感じます。
これから、合格者オリエンテーションに出席したり、制服や教科書が届くと、実感が湧いてくるでしょう。
今は、大好きな将棋と読書を満喫しています。
4月には、山形県天童市の人間将棋を見に行く予定なので、今からとても楽しみにしています。

僕の受験は山あり谷あり、最後に猛スピードでゴールしたというイメージです。
新4年生の時に双子の妹と一緒にWisardに入りました。
パズル問題や、約数の書き出しなど、皆と競うのがとても楽しかったです。
阿部先生から大きな丸と「あべ」のサインをもらった時はとても嬉しくて、家の壁に貼りました。
30枚近く解いた日はかばんが閉まらなくなり、達成感でいっぱいでした。
国語も、漢字テスト満点を目指したり、読解演習をするのがとても楽しみでした。

ところが、6年生から将棋と読書にはまり、家であまり勉強をしなくなりました。
当然、SAPIXの家庭学習も終わらないのですが、Wisardでの授業やプリントで理解していたので、なんとなく乗り切っていました。
しかし、夏休み頃から周りの皆も真剣になり、このままではまずいと思いながら、つい楽な方(本当は苦の方)に流されてしまいました。
母は、何度もWisardに相談をしていましたが、恐ろしいことに、この状態は年末の冬期講習まで続きました。


ついに、母は驚くべき計画を思いつき、Wisardはそれを実行する事態になりました。
なんと、受験直前1か月間、SS特訓以外の日は毎日Wisardに行くことになったのです。
お昼頃から夜9時頃まで、延々とWisardで勉強するなんて、想像しただけで恐ろしい。
怒涛の1か月が始まりました。
ところが、「案ずるより産むが安し」。
不思議なことにやる気が起こり、あっという間に時間は過ぎ去りました。
充実感でいっぱいで、とても楽しかったのです。
特に、志望校の算数の過去問2周目を解いてみると、夏には半分しか点がとれなかったのに8~9割とれることも増え、実力がついている!と、手応えを感じました。
大好きな社会の過去問は毎日取り組み、気づけば20年分にもなりました。

入試直前、1月。
ラストスパート。
Wisardでひたすら勉強をしていた記憶しかありません。
第一志望校合格を目指して、自分でも信じられないくらい頑張りました。
Wisardで本を借りることと将棋をするのを、自ら封印しました。
母がよく「自分の心には嘘はつけない」と言っていたのですが、その意味がようやく分かりました。
一番頑張ったのは自分だ!と心の底から思えたので、入試にも自信をもって臨むことができました。
先生方や母からも、最後の1か月は本当に頑張ったと言われたことも、僕を後押ししてくれました。


2月1日、第1志望校の入試。
不思議なくらいすらすら解けて、自分でも驚きました。
かなり手応えがあり、試験が終わった瞬間、「全てを出し切った」と感じました。
2日の試験も、自信がありました。
そして、合格発表。
2校とも合格!!合格と知った瞬間、母と抱き合って、ぴょんぴょんはねながら泣いてしまいました。
いつも強気な母が、大声で泣いていました。
妹も2校とも合格!!これで、2人とも受験終了!解放記念日だ!
2人とも、1月校も含めて全勝で受験を終えることができました。
家族皆で万歳三唱をしました。

阿部先生に合格の報告をすると、こんなことを言われました。
「今回、君は本当に頑張って、自分の力で合格を勝ち取りました。
本当にすごいことです。
目標に向かって頑張れば、必ず努力は報われる。
この経験は、これからの君の人生において、必ず大きな糧となります。
素晴らしい6年間を過ごして下さい。
これからも期待しています」
阿部先生、ありがとうございます。
これからも、頑張ります。


Wisardから家に帰る途中に、よくたこ焼きを食べました。
迎えに来た母が買っておいてくれて、皆で食べました。
阿部先生に発見されてしまい、視線を感じながらも食べていました。
あの味を僕は忘れないでしょう。
そして、たこ焼きを食べる度にWisardで頑張った日々を思い出すでしょう。

最後に、後輩の皆にメッセージ。
僕の合格は、Wisardなしには語ることはできません。
でも本当は、普段からからこつこつと勉強した方がいいに決まっています。
Wisardに通って頑張れば、必ず道は開けます。
一緒に頑張る仲間もできます。
本もたくさん読めます。
体験した僕が言うのだから、本当です!
応援しています。
 
【追伸】
中学生になっても、時々本を借りに行きます。
読みたい本をリクエストするので(笑)、揃えて下さい。
お願いします。

Wisardよりメッセージ

進学おめでとうございます。

見事な結果の中学受験、おめでとう。
この3年間のストーリーがあますところなく詰まった、読みごたえ抜群の合格体験記だね。

6年生中盤の不振があったから、なおさらドラマチックになっているような気がします。
「ん?もしかしたら、危ないかも!?なんとか立て直さなくては!!」と思ったのはあの3ヶ月くらいだけでした。
とはいっても、塾ではいつも全力でやれていましたし、実力通りの合格だと思います。

しかし、それにしても1月のスパートのかけ方はすごかった(笑)
「驚くべき計画」をお母さまから提案されたときは、「いや、それはあまりに極端すぎるのでは……」と難色を示したつもりですが、お母さまは不退転の決意でした。
半信半疑でお引き受けしたのですが、そこからの君と妹の頑張りは予想以上。
Wisardの先生みんなが驚くくらいでした。

ペースをつかんで自信がついていくのが目に見えてわかりましたし、自分としても頭が冴えていくのがわかったはずです。
大げさじゃなく、表情からして違ってきていました。
ああいうのを「仕上がる」というのだなあと思います。
もちろん、それまでの期間しっかり勉強してきたから、最後のそれをつなげる学習で効果があったんです。
「仕上がり万全!!」で本番に送り出すことができました。


あと君に伝えたいことは……いつでもちゃんと電車を乗り換えて本を借りに立ち寄ってということと(田中芳樹の本はちょっと増えました)、タコ焼きは電車の中は論外、ホームも微妙、駅前のベンチまでは許せるということくらいかな(笑)
それから、人生の岐路となるような試練を前にしたら、今回と同じくらい万全の準備をして臨もう。
合格するべくして合格した君なら、それが実感できているはずです。

阿部

2020年