残る石つぶ

Kくん(2022年度/海城中 進学)

キーンコーンカーンコーン……。
始め!!

その合図とともに合格争奪戦が、火蓋を切って始まった。
そう、ここは栄東。
つまり、1月の受験の最前線。

ついに今まで培ってきた実力を、
「ビッグバン」のように爆発させる日が来たのであった。

最初の科目は国語。

1問目から難しい漢字。
乱れる呼吸。
震えるシャーペン。

ありありと浮かぶ、Wisardの先生たちの顔。
そんな不安をかき消し、視覚は問題冊子だけになった。
全てが「無」の世界に入っていったのである。
そして、終わりのチャイムとともに現実に戻った。


あっという間に2月1日が来た。
1月の受験を通して、「本番は一度しかない」の本当の意味を知った。
合格した爽快な嬉しさや、練習校で落ちることの不安を知った。
コロナに感染しないか、不安だった。
友達にも会いたかった………。

だが、受験を乗り越えて、
自由な6年間を手に入れようという阿部先生の強い激励の言葉で、
勝つことができた。

周りの奴は全員馬鹿だと思って、
自己に集中し、試験に臨むことができた。
最善を尽くした。
満足な試験だった。
人生で、一番の激動の3日間だった。


合格発表まで10・9・8・7・6・……。
海城の合格発表の時間が近づいていくにつれ、
心臓が高鳴っていった。

そう1日目の開成、2日目の渋渋が不合格だったのだ。
いまいも不安でおしつぶされそうだった。
そんな気持ちも、次の一瞬で吹き飛んだ。

赤い字で画面に表示される「合格」の2文字とそれに続く、
受験生へのあたたかい言葉。
その瞬間、筆舌に尽くしがたいほどの喜びに包まれ、
努力が報われて全てが終わったと確信し、
こんな高い倍率でよく頑張ったな、
と俺と自分自身を褒めたたえた。


よく辛い3日間を乗り切って、
真の力を出すことができたね、
とWisardの先生も褒めてくれた。
合格体験記を書いている今でも、
阿部先生には頭が上がらない。
そして、好きなことを好きなようにして過ごしている。

数日後、受験勉強で使った教材の整理・処分をした。
捨てられる教材を見て、
「合格」という宝石を取り出すために
「勉強」という原石を削り、
合格を勝ち取った後に残った「教材」という石だと思った。


終わりに~来年の受験生に送る受験のテクニック~

・トイレは早く済ませ、休憩では糖分を摂取する。

入試では何が起こるのか想像がつきません。
極度の緊張のあまりおなかや頭が痛くなり、
本領を発揮できなくなるかもしれません。
よって試験会場に着いたらトイレを済ませ、
ラムネやチョコなどでブドウ糖を摂取
(消化が早いので、いち早くエネルギーをとれる)
した上で、水をこまめに飲むべきです。

ちなみにブドウ糖が吸収されるまで2~3時間かかるので、
試験会場に着くまでに食べることをお勧めします。

Wisardよりメッセージ

進学おめでとうございます。

受験体験記でも拡がる、君のワールド。
拍手喝采で読みました。

「よく頑張ったな、
と俺と自分自身を褒めたたえた」

は君の姿を見てきたからこそ、
とてもうなずける言葉でした。


君は勉強も独特のタイム間で取り組んでいて、
仕上がって集中した時の凄みはよく感じていました。
これからの学生としての期間は、
他人のお話を聞いている時間よりも、
自分と教材と向き合って、いかに夢中になれるかが大切です。
君にピッタリですね。

そして海城も君にピッタリの学校です。
6年間で、でっかく成長してください。


ブドウ糖は吸収するのに2~3時間かかるなら、
試験会場で摂取しても遅いのでは?
と思ったのは秘密です(笑)

阿部

2022年